激動期・・・松下村塾を動かした『陽明学』
■ 『在野の政治家』小野晋也・元衆議院議員
10月1日、小野晋也・元衆議院議員が四国から上京され、議員会館で「永田町アカデミア」を開催。
2009年夏、総選挙に出馬されず、惜しまれながらも、自らの意思で永田町を離れることを決断。
私もその夏の日、小野晋也代議士(当時)に国会議事堂をご案内いただいた後、国会正門で握手して別れたのを覚えています。
以後は、『在野の政治家』として・・・これからの日本の政治には、政策課題だけではなく、党派・立場を超えて、ともに日本の将来に責任を負う共同体として、文明観・人間観・幸福感に対する共通の学びの場が必要と、「永田町アカデミア」を開催され続けておられます。
10月1日、小野晋也・元衆議院議員が四国から上京され、議員会館で「永田町アカデミア」を開催。
2009年夏、総選挙に出馬されず、惜しまれながらも、自らの意思で永田町を離れることを決断。
私もその夏の日、小野晋也代議士(当時)に国会議事堂をご案内いただいた後、国会正門で握手して別れたのを覚えています。
以後は、『在野の政治家』として・・・これからの日本の政治には、政策課題だけではなく、党派・立場を超えて、ともに日本の将来に責任を負う共同体として、文明観・人間観・幸福感に対する共通の学びの場が必要と、「永田町アカデミア」を開催され続けておられます。
■ いまの永田町に大切なもの・・・
普通に生きていれば、目の前の事に追われるのは仕方がない。
しかし、「国家百年の大計」を立てるべき政治が、世の中の風潮に合わせ、
国民と同じ関心事に合わせるだけで、短期的な政策に迎合して、同じことをやっているのであれば、
何のための政治なのだろうか・・・
現象ではなく、深掘りした真理を、長期的視点で考えるのが政治。
より根源に立ち返って、物事を考えることが、永田町には大事。
そんな強烈な問題提起から始まった、会合でした・・・。
■ 乱世の思想 『陽明学』
当日のテーマは、「混迷の世を切り拓く陽明学の思想と、王陽明の人生」。
『陽明学』は、混乱する世の中になってくると、必ず頭をもたげてくる。
佐久間象山、吉田松陰、西郷隆盛しかり・・・
倒幕運動の先頭に立った幕末維新の志士のみならず、時代を変革しようと思った人達の多くが、
陽明学の影響を受けているといわれています。
王 陽明は、1472年生まれ。
中国・明の時代の儒学者で、高級官僚でもありました。
「真理」は外にあるとしてきた朱子学を批判的に継承して、読書のみによっては「真理」に到達できない
と悟り、仕事や日常生活での実践を通して「真理」を心のうちに求める『陽明学』に行きつくのです。
本当の真理は我が心の中にある=「心即理」を悟ったことが、王陽明の人生の分岐点「龍場の悟り」。
「真理」は外にあると言われてきたものを、王陽明は人生37年間の月日をかけて、
「真理」は内にあることに辿り着くのです。
朱子学は「外部にある知」を求めるのに対して、陽明学は「心の中にある良知」・・・
一切の真理は、自分の心の内にこそある、という考え方。
■ 松下村塾の思想的支柱・・・
自らを陽明学者とまで呼んだ吉田松陰から、野山の獄で、
わずか短期間の教えを受けただけの幕末の志士たち・・・
陽明学の考え方に立ち、激動の時代にあっても、自らの心の内に深く思いを巡らせさえすれば、
どんな人物でも真理に至ることができ、正しい判断ができると考えたのであろう。
明倫館からは、時代を動かす人物は出ていない。
吉田松陰が創ったちっぽけな松下村塾から、時代を動かす人物が出たことの思想的支柱・・・
まさに「陽明学」が、乱世の思想といわれる所以。
神妙な面持ちで、政経塾の先輩でもある小野晋也先生の話に聞き入っていたのです。
「事物の理は自分の心をおいてなく、それ以外に事物の理を求めても、事物の理はない」
と説いた王陽明。
過ごしやすくなった秋のひと時・・・自身の心に手を置いて、ゆっくりと考えてみたいものです。
2014年(平成26年)10月
山 崎 泰
普通に生きていれば、目の前の事に追われるのは仕方がない。
しかし、「国家百年の大計」を立てるべき政治が、世の中の風潮に合わせ、
国民と同じ関心事に合わせるだけで、短期的な政策に迎合して、同じことをやっているのであれば、
何のための政治なのだろうか・・・
現象ではなく、深掘りした真理を、長期的視点で考えるのが政治。
より根源に立ち返って、物事を考えることが、永田町には大事。
そんな強烈な問題提起から始まった、会合でした・・・。
■ 乱世の思想 『陽明学』
当日のテーマは、「混迷の世を切り拓く陽明学の思想と、王陽明の人生」。
『陽明学』は、混乱する世の中になってくると、必ず頭をもたげてくる。
佐久間象山、吉田松陰、西郷隆盛しかり・・・
倒幕運動の先頭に立った幕末維新の志士のみならず、時代を変革しようと思った人達の多くが、
陽明学の影響を受けているといわれています。
王 陽明は、1472年生まれ。
中国・明の時代の儒学者で、高級官僚でもありました。
「真理」は外にあるとしてきた朱子学を批判的に継承して、読書のみによっては「真理」に到達できない
と悟り、仕事や日常生活での実践を通して「真理」を心のうちに求める『陽明学』に行きつくのです。
本当の真理は我が心の中にある=「心即理」を悟ったことが、王陽明の人生の分岐点「龍場の悟り」。
「真理」は外にあると言われてきたものを、王陽明は人生37年間の月日をかけて、
「真理」は内にあることに辿り着くのです。
朱子学は「外部にある知」を求めるのに対して、陽明学は「心の中にある良知」・・・
一切の真理は、自分の心の内にこそある、という考え方。
■ 松下村塾の思想的支柱・・・
自らを陽明学者とまで呼んだ吉田松陰から、野山の獄で、
わずか短期間の教えを受けただけの幕末の志士たち・・・
陽明学の考え方に立ち、激動の時代にあっても、自らの心の内に深く思いを巡らせさえすれば、
どんな人物でも真理に至ることができ、正しい判断ができると考えたのであろう。
明倫館からは、時代を動かす人物は出ていない。
吉田松陰が創ったちっぽけな松下村塾から、時代を動かす人物が出たことの思想的支柱・・・
まさに「陽明学」が、乱世の思想といわれる所以。
神妙な面持ちで、政経塾の先輩でもある小野晋也先生の話に聞き入っていたのです。
「事物の理は自分の心をおいてなく、それ以外に事物の理を求めても、事物の理はない」
と説いた王陽明。
過ごしやすくなった秋のひと時・・・自身の心に手を置いて、ゆっくりと考えてみたいものです。
2014年(平成26年)10月
山 崎 泰