『好況よし、不況またよし』~困難な状況下、いま何ができるか?~
4月8日、安倍晋三首相が、特別措置法に基づく政府の「緊急事態宣言」を発令し、
全国的にも新型コロナウイルス感染が急拡大しているなか、
皆さまも、さぞご不安な日々をお過ごしのことと思います。
「新型コロナウイルスの影響下、いま何ができるだろうか?」
「経営的にも非常に厳しい状況下、いまをどう捉えておくべきなのだろうか?」
新型コロナウイルス感染拡大で、関与先企業にもじわりじわりと影響が広がる1月末以降、
日々、こんなことを考えていました。
さる3月中旬、まだ今日のような「外出自粛」にまで至らなかったころ、
関与先の飲食店業界幹部の皆さまが、当社会議室に一同に会された折に、
経営が厳しい状況下、いまの時期における心構えについて、
私なりの想いをお話させていただく機会がありました。
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■「新型コロナウイルスの影響下、いま何ができるか?」
4月8日、安倍晋三首相が、特別措置法に基づく政府の「緊急事態宣言」を発令し、全国的にも
新型コロナウイルス感染が急拡大しているなか、
皆さまも、さぞご不安な日々をお過ごしのことと思います。
「新型コロナウイルスの影響下、いま何ができるだろうか?」
「経営的にも非常に厳しい状況下、いまをどう捉えておくべきなのだろうか?」
新型コロナウイルス感染拡大で、関与先企業にもじわりじわりと影響が広がる1月末以降、
日々、こんなことを考えていました。
さる3月中旬、まだ今日のような「外出自粛」にまで至らなかったころ、
関与先の飲食店業界幹部の皆さまが、当社会議室に一同に会された折に、
経営が厳しい状況下、いまの時期における心構えについて、
私なりの想いをお話させていただく機会がありました。
■自社の『タテ軸』を問い直すべき
その折、話の冒頭でお示ししたパワーポイントを、ご紹介させていただきます。
今回の新型コロナウイルスの影響による業績悪化は、あまりにも厳しい状況なので
精神論・理念的とも捉われてしまいそうなのですが。。。
私自身は、このようなかつてないほどの厳しい経営状況下こそ
自社における『タテ軸』を問い直すことが肝要だと思っています。
大きなリスクにさらされた時ほど、
『タテ軸』たる「経営理念」が
幹部・社員に浸透している企業は強いと思うのです。
■リスク時の判断指針となるのが、まさに「経営理念」
今後のリスクが読み切れず、社内外でも不安が広がっていく日々・・・
「不安を乗り越えていくための組織の活力」「社員のロイヤリティ」など、
平時よりも非常事態のほうが、リーダーシップの差が大きく現れると思います。
経営者として、幹部・社員として、大きなリスクにさらされている際の
判断指針となるのが、まさに経営の『タテ軸』たる「経営理念」にほかなりません。
会社を取り巻く様々なステークホルダー(株主・従業員・取引先・債権者等々)との
信頼関係を、どう守り続けていくか
大きなリスク下で、自社ビジネスモデルの「存在価値」「存在意義」は
「資金調達への備え」と「借入依存へのモラルハザード」との葛藤
政府・自治体から、度重なる「在宅勤務」要請に・・・
業務への様々な支障を乗り越えてでも、切り替えを即断することができるか
会社や組織人という「私」を乗り越えてでも、
社会という「公」に全面的に協力する姿勢が自社には備わっているかどうか
経営者としての胸のうちを、率直に語り合えば・・・
「経済活動の自粛」と、自粛にともなう「経済的損失」に悩まれる場面も、
少なくなかろうかと思います。
まさに、そのような経営判断に迷いが出た時に、立ち返るべきが
自社の『タテ軸』たる「経営理念」であることを、あらためて強調し、
皆さまと、心を合わせて、現下の難局を乗り切っていきたいと思っています!
■「経営の神様」が生きておられたなら。。。
こんなとき、「経営の神様」あの松下幸之助翁が生きておられたら
どう言われて、どのように対応されるのだろうか・・・
松下幸之助翁が晩年設立された松下政経塾で学んだひとりとして、
どうしても最後は、こう想いをめぐらせてしまうのです。。。
■『好況よし 不況またよし】
松下幸之助翁が、生前「好況よし、不況またよし」と語っておられたことは、
かなり広く知られています。
昭和恐慌や戦後の幾度もの不況を乗り越えて、
松下電器を大きく発展された松下幸之助翁の言葉だけに、
経験と実績に基づく重さが、いまを生きる我々にも伝わってきます。
言葉の正確を期すために、【PHP研究所 松下幸之助.com】から一部引用してみます。
大きな改革・改善は、会社が順調な時には、なかなかやりにくい。
好況で調子が良いと、「景気力」という時代背景も後押ししてくれて、
安易な気持ちが生じて、何か問題があっても見過ごしてしまいがち・・・
しかし、ひとたび不況が襲い、経営が困難に陥ってくると、
好況時には気づかなかったり、あるいは気になっていても、
つい手つかずのままにしていた課題がはっきりと見えてくる・・・
改善、改革の必要性が痛感されるようになり、社員にも危機感が生まれ、
好況時にはなかなか取り組もうとしなかったことにも真剣に対処するようになり、
社員一丸となって改革を進めやすくなる。
人材も、仕事がうまくいかない困難なときに成長し、育つものである。
■『不況こそ絶好のチャンス』
厳しい環境の中でのほうが、長年抱えてきた懸案事項にメスを入れたり、
経営体質を改善、強化したり、社員を教育しやすい。
その意味で、不況、困難なときこそ、これまでの経営を見直して、
新たなる企業に生まれ変わるための絶好のチャンスといえよう。
不況を忌まわしいものと受け止めるのではなく、
“不況こそ、改善、発展への願ってもないチャンスだ”と、積極的な見方に立ち、
そのうえで、みずからの腕と知恵で生きていくのだという心がまえをもって知恵を絞る。
難しいことではあるが、それをやり抜くところに、
不況、困難をチャンスに変え、新たな発展への道を切りひらいていくことができる。
■心に染み入る“金言”として・・・
今までやりたくても後回しにしてしまっていた「テレワーク導入」・・・
AIやBIなどの「ビジネスソリューション」の多様化・・・等々
新型コロナウイルス騒ぎになって、慌てて進めている身としては、
まさに心に染み入る、松下幸之助翁の金言です。。。
2020年4月
山 崎 泰