TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

新型コロナウィルスに負けるな!!~会計事務所も金融機関も『今こそ出番』だ!~

20.03.11
経営全般
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■ 医師の懸念、1カ月前は半信半疑だったのに。。。

1月下旬、毎月、無呼吸症候群の定期健診を受けている、かかりつけクリニックでの出来事。
その日は、私が最後の患者だったようで、
同年代と思しき、かかりつけ医から、こんな投げかけが。。。

「山崎さん、このコロナウィルス感染拡大は、あまく見ないほうがいいですよ」
「おそらくは、東京オリンピック開催にも、かなり影響してくると思います」
「それにしても、日本という国は、日本人という民族は、
なぜこうも危機感が薄く、自分たちを、自分たちの国を
自分たちの力で守るということに慣れていないのでしょうか」


新型コロナウィルスの感染が、まだ今日のように拡大していなかったこともあり、
半信半疑で、医師の話を聞いていた私。。。


確かに、近所のクリニックで、毎月のようにお世話になっていたのですが・・・
これまでの診察のなかでも、かつて議員だったことを伝えるでもなく、
日頃の想いや考えを話すでもなく・・・
それなのに、ナントなく、そんな匂いがしたのでしょうか。
日本と日本人の危機管理に関して、率直な懸念をぶつけて来られたのでした。

■ 医師の懸念が、いまや現実に!

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■ 医師の懸念、1カ月前は半信半疑だったのに。。。

1月下旬、毎月、無呼吸症候群の定期健診を
受けている、かかりつけクリニックでの出来事。

その日は、私が最後の患者だったようで、同年代と
思しき、かかりつけ医から、こんな投げかけが。。。
 
「山崎さん、このコロナウィルス感染拡大は、あまく見ないほうがいいですよ」
「おそらくは、東京オリンピック開催にも、かなり影響してくると思います」
「それにしても、日本という国は、日本人という民族は、なぜこうも危機感が薄く、
 自分たちを、自分たちの国を自分たちの力で守るということに慣れていないのでしょうか」

 
新型コロナウィルスの感染が、まだ今日のように拡大していなかったこともあり、
半信半疑で、医師の話を聞いていた私。。。
確かに、近所のクリニックで、毎月のようにお世話になっていたのですが・・・
これまでの診察のなかでも、かつて議員だったことを伝えるでもなく、
日頃の想いや考えを話すでもなく・・・

それなのに、ナントなく、そんな匂いがしたのでしょうか。
日本と日本人の危機管理に関して、率直な懸念をぶつけて来られたのでした。


■ 医師の懸念が、いまや現実に!

よせばいいのに・・・

かつて参議院選挙でも「自立する日本へ」の改革を訴え続けてきた私自身、
先生のコメントには、なぜか身体が意識せずとも反応してしまうのです。
 
「そうですよね」
「安全保障しかり、北方領土しかり、北朝鮮拉致問題しかり、
 
自国の安全は自分たちの知恵と力で守らなくては!」
「北朝鮮拉致問題を解決するのに、直接交渉をするのではなくて、

 ワシントンのホワイトハウスに出向いて、
 アメリカ大統領にお願いするしかなかったのですからね?!」

こんな会話を交わしてから、1ヵ月強。。。
あの時はまだ半信半疑だったことが、いまや現実に近づきつつあります。











■ 胸が締め付けられるような報告に。。。


毎週月曜日、当社全体ミーティングにて、
関与先に関する様々な情報交換をしています。

ここに来て、やはり関与先の売上減少とともに、
資金繰り悪化に関する情報が、
切羽詰まったように報告されて、気になって心配で、仕方がありません。
 
地元新宿区内の飲食店・・・
ビジネス街にあるのですが、来店者数が激減して、
人件費とのバランスがとれず、やむなくランチ営業を中止
併設するスタジオを活用したイベントも開催できずに、まさに開店休業状態。。。

北海道で、道の駅で営業展開するレストラン・・・
数年前、北海道地区を襲ったブラックアウト(広域一斉停電)の傷が癒えないなか、
今度はコロナウィルス感染対策で、道内には外出禁止要請
冬場の閑散期乗り越えて、3月になってこれから~という時に、
道の駅そのものが閉鎖になってしまい、必然的にレストランも休業に。。。

胸が締め付けられるような報告に、心配で、とても心配で堪りません。


■ 人の移動がなくなると、経済はここまで収縮するのか

特に、飲食業・小売業はじめ、来店者との接客・応対・面談などが中心となる業態に関しては、
会合や多人数での飲食など、人との接触を控えるようにとの政府方針が出て以来、
急速にビジネスが収縮しています。
 
そもそも人の移動がなくなり、人との接触自体を控えるようになり、
会合やセミナーなど、人が集まる機会そのものが減ってしまうと・・・
ここまでビジネスが収縮するのか、と悲しくも驚くくらいの、厳しい現実です。
 
大企業ならともかく、中小零細企業で、1ヶ月間以上の売上が止まった時、
持ちこたえられるだけの資金留保を抱えている会社が、いったいどこまであるのか。
 
もちろん、政府もわかっているのだと信じていますが、
人の流れが回復するまでは、経済の収縮が進まないように、
どんなことがあっても大胆に政策を総動員して、経済を支え続けなければなりません。


■ 金融機関も『今こそ出番!』

金融機関も会計事務所も『今こそ出番!』だと、確信しています!!

金融機関に対しても、金融庁などから事業者の資金繰りに重大な支障が生じることがないように、
かなり強力な要請が出ています。

【参照】2020年3月6日 金融庁HP





https://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20200306.html


まさに3カ月ほどまえ、2019年12月金融庁は金融機関が融資をする際の指針であった
「金融検査マニュアル」を廃止したのです。
融資先の貸し倒れに備えて、引当金を積み立てる基準をかなり細かく規定していたのを廃止。
ちょうど、金融機関のあり方自体を変えるべく、大きく政策転換し、大胆に舵を切ったばかりです!
これまでの金融庁主導の一律的なマニュアルから脱皮して、
金融機関の裁量の余地を大きく広げたのです。

金融機関自らが、融資先の事業内容や経営状態等をつぶさに把握することを通じて、
融資先の将来リスクを判断する!!


当たり前といえば当たり前なのですが、短期・中期・長期の事業性評価まで含めて、
金融機関が、融資先の会社に対する「目利き力」を高めていくという「政策転換」です。
 
まさに、金融機関が常日頃からの会社の事業性評価を通じて、
新型コロナウィルスという突発的な要因による資金繰り悪化で
苦境に立つ会社に対して、業績回復の見通しを独自判断していく。


責任ある独自判断に基づいて、回復の見通しがつくまで資金支援・・・
そんな柔軟な対応ができる前段を、3カ月前に作っていたかのようにも思えてなりません。
 
金融機関にも、今こそ逃げずに、正面から資金支援していただきたいと思っています。


■ 会計事務所も『今こそ出番!!』

かたや、我々、会社を支える会計事務所業界は、どうあるべきか。
 
確かに、金融機関は融資先の事業内容や経営状態をつぶさに把握されていることが、
理想ではありますが・・・
実態は、顧問である会計事務所の方が、はるかに真実の情報を把握しているでしょう。
財務諸表上の数値のみならず、経営者の経営姿勢・戦略思考などに関しても、
会社との関係値が密で深い会計事務所のもつ情報に勝るものはないと、
日々の業務からも確信しています。
 
それは「情報の非対称性」ゆえ。。。
資金の貸し手である「金融機関」と、借り手である「会社」との間には、
借り手企業の情報に関して絶対的な差があるという「非対称性」です。

資金の借り手である会社の事業内容・経営状態などの情報に関しては、
当然、当事者たる「会社」側のほうが『情報優位』なのに対して、
資金の貸し手である「金融機関」側『情報劣位』であるからです。

だからこそ、関与先の財務諸表はもとより事業内容・経営状態をも知り尽くす、
さらには、新型コロナウィルスを乗り越えた先の姿を関与先と共有し、
苦境を乗り切ることができる経営者の姿勢をも知り尽くす会計事務所こそ!!

会社と金融機関との橋渡し役として、資金繰りの命綱として
心の底から『今こそ出番!!』だと確信してやみません。

    2020年3月
             山  崎  泰