TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

ファイナンシャル・プランナー花輪陽子のシンガポールたより vol.6

19.01.14
税務・会計
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ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。

今回は富裕層の間では人気で、日本にはない生命保険をご紹介したいと思います。

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◆海外保険の規格外のパワー
 
ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。
今回は富裕層の間では人気で、日本にはない生命保険をご紹介したいと思います。

プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 (講談社現代新書)でも、杉山スペシャルとしてその商品を利用したスキームが紹介されていた
「ユニバーサル生命保険(Universal Life Insurance)についてです。

海外保険に関しては保険業法の規定もあり、
日本居住者は原則的に購入ができないことになっています。
ただし、本書には裏技も紹介されています。

ユニバーサル生命保険とは、終身生命保険の派生商品で、
自由度が高く、高い保障を確保しながら解約返戻金を増やしていける保険です。

例えば、32歳の男性の場合、
保険料の7倍程度の死亡保障を即日から確保ができます。
一括で払い込む保険料が約800万円程度で、
死亡保障金が約5,500万円程度などです。
 
また、この保険の利点としては、
契約初期に払い込んだ保険料を上回る(ブレークイーブン)という特徴があります。
一括払いの場合、保険会社にもよりますが
5年前後で解約返戻金が払込保険料を上回る場合が多いです。

万一の際に高い保障を確保できる上に、資産価値が高く、
解約返戻金の価値も増えていくために富裕層に絶大な人気があります。
万一の際にも払い込んだ保険料の数倍の保険金を受け取れる上に、
健康な場合も資産価値が蓄積されていくからです。

富裕層がユニバーサル生命保険を買う理由としては、
相続対策を挙げることができます。
日本では生命保険に規制があって、死亡保障は最大で7億円となっていますが、
海外の生命保険の場合は1億ドルまで可能です。

例えば、10億の保険料を支払って、7倍の70億円の保険金を確保する場合、
仮に国に約半分の相続税を収めたとしても、手元に約35億円が残ります。
つまり10億円を大きく増やす効果があるのです。
次の世代に相続、事業承継をする際にユニバーサルライフは活用されているのです。

もちろん高齢になれば保険金の倍率は下がりますので
遅くとも70歳までには準備をしておく必要があります。 

ユニバーサルライフの利点として、高い資産価値があるので、
保険を担保に融資を受ける契約者貸付制度を利用することもできます

また、契約者の急な事情で現金の必要性が生じたときに、
現金価値(Cash Value)から全額(商品によっては一部)を引き出すことができます。
(取り崩した後は死亡保障額が減少あるいは消滅します)
 
ユニバーサルライフは保険料が最低でも1,000万円近くして高いので、
一般家庭には手を出しにくいところがあります。
しかし、最近では多くの保険会社で分割払いができるようになりました。
13年払いまで可能な保険会社もあり、
年齢によっては年間保険料を100万円前後に抑えることができます。
 
分割払いのメリットとしては、全額を投入する前に、
5,500万円などの同額の保険金を即日から確保することができることです。
 
USドルを借りる金利が高くなっている関係で杉山スペシャルのように、
ローンをしてユニバーサルライフを購入する方法は以前より人気がなくなり、
分割払いが主流になっているようです。


★プロフィール★
花輪 陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。
公式ホームページ http://yokohanawa.com/
twitter: @yokohanawa
facebook: https://www.facebook.com/yokohanawa
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