外注費が給与と見なされると、多額の追徴課税が発生する!?
繁忙期と閑散期がある会社では、必要に応じて外部の企業や個人事業主に業務を委託することがあるでしょう。
何度も仕事を依頼している相手とは、長期契約を結ぶことがあるかもしれません。
その際、支払う報酬を“外注費”か“給与”か明確に区別して扱うことが重要です。
万が一、外注費として処理していたものを税務調査で給与だと指摘されると、源泉徴収漏れや消費税の過少申告などで多額の追徴課税を課されてしまう危険があります。
◆ 外注費と給与の違いとは?
外注費とは、“業務請負契約”などに基づいて外部の企業や個人事業主へ業務を委託した、“業務の対価”のことをいいます。
一方、給与とは“雇用契約”などに基づいて支払われる、諸手当を含む対価のことを指します。
外注費と給与については、以下の支払いの有無に違いがあります。
①源泉所得税
②消費税
③社会保険料
まず①源泉所得税について:
外注費は原則として所得税の源泉徴収が不要です。
(所得税法 第204条1項に該当する報酬・料金の支払いを除く)。
一方、給与は所得税の源泉徴収が必要です。
次に②消費税について:
外注費は課税仕入取引として扱われるため、仕入税額の控除対象となります。
しかし、給与は控除対象とはなりません(ともに本則課税の場合)。
最後に③社会保険料について:
外注費は会社が社会保険料を負担する必要はありません。
一方、給与は会社が社会保険料を負担する必要があります。
(従業員が社会保険の加入条件を満たしている場合)
このことから、外注費の方が経費上のメリットが大きいように思われます。
ただし、“請負契約を締結すれば外注費として処理できる”というわけではありません。
外注費として処理するためには、“契約内容”と“業務の実態”の両方が必要となります。
では一体、どのようなものが外注費といえるのでしょうか?
◆ 外注費と判断される基準とは?
前述のとおり、給与は“雇用契約”などに基づく対価で、
外注費は“請負契約”などに基づく対価のことをいいます。
会社が支払った費用が“外注費”となるのか、“給与”と見なされるかは、
以下の項目と契約内容を総合的に見て判断されます。
①契約に基づく役務の提供を他人が代替できるか否か
(代替できる業務であれば外注費に該当するといえます。)
②役務の提供に対して、報酬の支払者から指揮監督や時間的拘束を受けるか否か
(指揮監督を受けず、裁量を持って作業できるのが外注費です。
指揮監督や時間的拘束を受けている場合は、給与と見なされる可能性があります。)
③まだ引き渡しをしていない完成品を不可抗力で紛失した場合、報酬を請求できるか否か
(外注費は商品などの納品に対して支払われる対価です。
そのため、外注費の場合は請求できません。)
④役務の提供に係る材料または用具などを、報酬の支払者から供与されているか否か
(作業者本人が材料などを負担するのが外注費となります。)
上記項目のうち、いずれかの条件を満たせば外注費と見なされるのではなく、
請負契約と上記項目を総合的に判断して、外注費なのか給与なのかを判定します。
◆ 税務調査で、外注費を給与だと指摘されたら!?
万が一、外注費として処理したものを税務調査で給与だと指摘された場合は、
以下のような多額の納税が発生します。
①源泉所得税の徴収漏れによる、追徴課税
②控除されていた仕入消費税分の追徴課税
③過少申告加算税・不納付加算税・延滞税など
税務調査で外注費を給与だと判断されないためには、
外注費と見なされる判断基準を含んだ請負契約書を事前に作成しておくことが重要です。
外注費の取り扱いについてのご相談は、
私たち・TFS国際税理士法人へお問い合わせください。
https://cms.tkcnf.com/tfsnavijp/form/inquiry
外注費とは、“業務請負契約”などに基づいて外部の企業や個人事業主へ業務を委託した、“業務の対価”のことをいいます。
一方、給与とは“雇用契約”などに基づいて支払われる、諸手当を含む対価のことを指します。
外注費と給与については、以下の支払いの有無に違いがあります。
①源泉所得税
②消費税
③社会保険料
まず①源泉所得税について:
外注費は原則として所得税の源泉徴収が不要です。
(所得税法 第204条1項に該当する報酬・料金の支払いを除く)。
一方、給与は所得税の源泉徴収が必要です。
次に②消費税について:
外注費は課税仕入取引として扱われるため、仕入税額の控除対象となります。
しかし、給与は控除対象とはなりません(ともに本則課税の場合)。
最後に③社会保険料について:
外注費は会社が社会保険料を負担する必要はありません。
一方、給与は会社が社会保険料を負担する必要があります。
(従業員が社会保険の加入条件を満たしている場合)
このことから、外注費の方が経費上のメリットが大きいように思われます。
ただし、“請負契約を締結すれば外注費として処理できる”というわけではありません。
外注費として処理するためには、“契約内容”と“業務の実態”の両方が必要となります。
では一体、どのようなものが外注費といえるのでしょうか?
◆ 外注費と判断される基準とは?
前述のとおり、給与は“雇用契約”などに基づく対価で、
外注費は“請負契約”などに基づく対価のことをいいます。
会社が支払った費用が“外注費”となるのか、“給与”と見なされるかは、
以下の項目と契約内容を総合的に見て判断されます。
①契約に基づく役務の提供を他人が代替できるか否か
(代替できる業務であれば外注費に該当するといえます。)
②役務の提供に対して、報酬の支払者から指揮監督や時間的拘束を受けるか否か
(指揮監督を受けず、裁量を持って作業できるのが外注費です。
指揮監督や時間的拘束を受けている場合は、給与と見なされる可能性があります。)
③まだ引き渡しをしていない完成品を不可抗力で紛失した場合、報酬を請求できるか否か
(外注費は商品などの納品に対して支払われる対価です。
そのため、外注費の場合は請求できません。)
④役務の提供に係る材料または用具などを、報酬の支払者から供与されているか否か
(作業者本人が材料などを負担するのが外注費となります。)
上記項目のうち、いずれかの条件を満たせば外注費と見なされるのではなく、
請負契約と上記項目を総合的に判断して、外注費なのか給与なのかを判定します。
◆ 税務調査で、外注費を給与だと指摘されたら!?
万が一、外注費として処理したものを税務調査で給与だと指摘された場合は、
以下のような多額の納税が発生します。
①源泉所得税の徴収漏れによる、追徴課税
②控除されていた仕入消費税分の追徴課税
③過少申告加算税・不納付加算税・延滞税など
税務調査で外注費を給与だと判断されないためには、
外注費と見なされる判断基準を含んだ請負契約書を事前に作成しておくことが重要です。
外注費の取り扱いについてのご相談は、
私たち・TFS国際税理士法人へお問い合わせください。
https://cms.tkcnf.com/tfsnavijp/form/inquiry