格差問題の本質とは
2007年(平成19年)5月
緑輝く若葉が、目に眩しい季節となりました。
皆様には、爽やかな5月の日々を、充実してお過ごしのことと存じます。
今朝、松下政経塾時代の先輩でもある国会議員が主催する朝食勉強会に出席してきました。
毎月開催している会合で、出席する度に、強く心打たれるものがあり、毎回楽しみにしている会です。
今回のテーマは『格差問題とは何か』でした。
2月号の文芸春秋によると、「日本を分断する格差」として、
という、11の格差が掲げられています。
勉強会議論の主旨は、加藤諦三氏の著書『格差病社会』を引用しながら、
表面的な格差議論に拘泥せず、日本人の意識や価値観をも分析して議論すべき、との内容でした。
とても印象に残ったので、加藤氏の著書の一部をご紹介します。
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さらに、こうもいわれています。
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昔、仕事をしながら、車中でラジオから流れる心理学者の加藤諦三先生の「テレフォン人生相談」を、
なるほどと感心しながら聞いていた時期もありました。
格差を煽るのではなく、格差社会の根底にある意識、日々の家庭生活、地域社会への還元等々、
個人として企業としてできることを考えるきっかけにしたいものです。
①雇用格差
②会社間格差
③所得格差
④資産格差
⑤教育格差
⑥自治体の格差
⑦治安格差
⑧対災害格差
⑨医療格差
⑩結婚・出産格差
⑪老後格差
という、11の格差が掲げられています。
勉強会議論の主旨は、加藤諦三氏の著書『格差病社会』を引用しながら、
表面的な格差議論に拘泥せず、日本人の意識や価値観をも分析して議論すべき、との内容でした。
とても印象に残ったので、加藤氏の著書の一部をご紹介します。
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現実の格差の大きさと、格差意識の深刻さとは関係ない。
日本に比べてアメリカの方が現実の格差ははるかに大きいが、格差意識は少ない。
日本の方が現実の格差は小さいが、格差意識は大きい。
現実の経済的弱者と劣等感とは、何の関係もない。
したがって日本よりはるかに「勝ち負け」のはっきりしているアメリカには、
いま日本で使われている意味の「勝ち組・負け組」という言葉がない。
それなのに日本では、毎日毎日「勝ち組・負け組」という言葉を聞く。
現実の競争の激しさと競争意識の激しさは関係ない。
競争意識がすさまじいところでは、競争はあまりないということがある。
それが、人間の心理的防衛である。
現実の競争はアメリカの方がすさまじいが、競争意識は日本の方がすさまじい。
だからアメリカにはない「勝ち組・負け組」の言葉が、今の日本に氾濫している。
年功序列も終身雇用も前例主義も企業の横並びも、
私たち日本人の競争意識がいかに強いかということの証明なのである。
それを逆に解釈してしまったのが、一部の有力な政治家であり、一部の有名な経済学者である。
一見競争がないように見えることの裏に、強烈な競争意識がある。
この単純な心理を彼らは見抜けなかった。
そして、この人の心を見誤った上での政策がいまの日本の政策である。
そしてその政策が、人々に心理的荒廃をもたらしたのである。
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さらに、こうもいわれています。
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家族が幸せでない。
幸せな家庭なら、人々の気持ちはこうはならない。
成績が悪くても、お母さんが受け入れてくれる。そこで、子供は幸せになれる。
家族が幸せでないから、格差社会と言いだした。
家族をはじめ人間関係が幸せでないということが、全ての問題の根源である。
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昔、仕事をしながら、車中でラジオから流れる心理学者の加藤諦三先生の「テレフォン人生相談」を、
なるほどと感心しながら聞いていた時期もありました。
格差を煽るのではなく、格差社会の根底にある意識、日々の家庭生活、地域社会への還元等々、
個人として企業としてできることを考えるきっかけにしたいものです。