正しい文明認識の上での「互恵」を!
2008年5月27日19:07:00
正しい文明認識の上での「互恵」を!
新緑の候、風薫る爽やかな季節になりました。
私どもの事務所のある新宿・四谷では、祭りの季節を迎えています。子供たちにも思い出に残る、青空のもとでの祭りであって欲しい、と週末の天候を気にしている昨今です。
今月のレポートでは、中国について触れました。
北京オリンピックが開催される8月8日から2週間ほどの間に、北京には約50万人の観光客が海外から訪れるといわれています。
先日、中国で降り立った北京首都国際空港も、まさに北京オリンピックを迎えるべく新築され、急速に経済が成長する足音を感じました。
しかしながら、四川大地震を見ると、年率二桁の高度経済成長の一方で、国民の生活基盤の脆弱さが露呈してしまったように思えてなりません。
被災地の皆様方には、心からお見舞い申し上げるとともに、「天災」のみならず「人災」ともいえる備えの弱さについて、警鐘を鳴らしているようにも思えるのです。
5月6日、胡錦濤国家主席が来日、7日に日中首脳会談が行われ、日本と中国の「戦略的互恵関係」が確認されました。
しかし、長い歴史を振り返ってみる時、中国人の持つ国際秩序意識として、根底に「中華思想」が潜在的にあることは否定できないように思います。
中国文明が時代を超えて変わらぬ中心であり、日本文明はそこから派生する周辺文明と捉える思想です。
本当に対等の立場での「互恵」を目指すのであるならば、日本も中国も、表面的な外交のみならず、相互に正しい文明認識を持つことの重要性を強く感じます。
私どもの事務所でも、実務的なニーズのみならず、正しい相互理解の礎を築くためにも、現在、希望するスタッフが週3回、中国語の語学研修を続けています。
私も含めて顧問先への巡回監査訪問や実務の合間を縫っての参加ですので、確かに時間的制約はありますが、将来への明確な目標意識のもとに集う研修ですので、充実感があります。
些かなりとも、お役に立てるように努力していきたいと思っております。
平成20年(2008年)5月