TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

平成23年(2011年)『辛卯』を迎えて--今月のメッセージ(1月号)

14.05.30
【バックナンバー】山崎泰の月刊メッセージ(2014年5月まで)
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2011年1月1日00:00:00

『辛卯』を迎えて


本来なら、皆様のもとに直接お伺いして、またご連絡を申し上げながら、昨年一年間の御礼を込めてご挨拶を申し上げるべきところではございますが、Webを通じて新年のご挨拶を申し上げます失礼の段、何卒お許し頂きたく存じます。

私共事で恐縮ですが、昨年は『あなたの会社、強くして見せます!』とともに『Leaders of Japan ニッポンを、地方から洗濯致し候』を著すことができました。 

前者は、会計事務所として『会計を通じて、会社、地域、国家を強くする』との経営理念を掲げて取り組んできた、これまでの歩みをまとめたものです。 
後者は、職業会計人として「納税後の税の使いみち」にも責任を持ちたいとの思いで、全国各地で先進的な取り組みを展開されておられる首長との対談をまとめたものです。 

業務を通じた様々な取り組みをまとめることができましたのも、ひとえに関与先様はじめ多くの皆様にお世話になり、貴重な経験を積ませて頂いたおかげです。

今後とも感謝の気持ちを忘れずに、謙虚に一歩ずつ歩んで参りたいと存じます。 

 孟子曰、『天時不如地利。地利不如人和』

 私にとって昨年は、「天の時」そして「地の利」よりももっと大切な「人の和」の重さを、深く心に刻んだ一年でもございました。 

 昨年末、当事務所で毎年作成している松下幸之助翁の生前の言葉を集めた「日めくりカレンダー」が出来上がってきました。それを見ると、表紙に『和』とあります。単なる偶然とも思えず、松下幸之助翁の言葉をもう一度刻み直そうと、心新たにした次第です。 

 本年一年も、『和』を大切に、皆様と気持ちを通じ合うことができましたら、本当に幸せです。

 過日、老荘思想研究家・田口佳史先生を囲んでの経営者勉強会で、平成23年『辛卯』についての講義がありました。『辛卯』の年の意義をしっかりと把握したうえで、大切な皆様とともに、新しい年を一緒に歩んでいくことができたらとの思いで、ご紹介させて頂きました。 

本年が、皆様にとりまして充実した良き一年でありますよう、心よりお祈り申し上げております。 

平成23年(2011年)元旦

 

平成23年(2011年) 
辛 卯(かのとう/しんぼう)

 『辛』は、地下のエネルギーが吹き上げることを表した字。 
 また『辛』は、動物を解体するときに用いる鋭い刃物の象形文字。これに「家」を付けると、「宰」となり、永年に渡って積もった様々な難問や古い組織を、手際よく解体するべき年を表している。 
 しかしその一方で、『辛』は、『辛い』『辛い』ともなり、鋭い刃物で反対に自分が斬られることにもなりかねない危険をはらんだ年でもある。 
 『卯』は、「冒」を意味していることから、葉が茂ることを表し、いばらやかやが茂ってしまい、どうしようもない状態を表している。 
 また『卯』の真ん中のタテ2本の線は門柱、横のふくらみは門扉が開いた形で、やっと門が開いて新しいことに手を付けられることを意味している。

 したがって、昨年に引き続いて改革の年ではあるが、昨年に比べて混乱・混雑は一層激しくなってしまい、よほど主「宰」力のあるリーダーが登場して、『辛 卯』の年中に快刀乱麻のように処理しないと、翌年の『壬辰(みずのえたつ)』はとても難しい年であるから、どうしようもない状態に陥ることも予測される。

 心して『辛卯』の年を迎えたい。 
                   (老荘思想研究家・田口佳史先生講義より)