TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

53歳・51歳・50歳――ザ・おやじファイト!?(11月号)

14.05.30
【バックナンバー】山崎泰の月刊メッセージ(2014年5月まで)
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2011年11月3日18:22:00

■ボクシング試合の招待状が…

 10月下旬、顧問先の社長から、お便りとともにボクシングの試合の招待チケットが届きました。
 
 その社長も、ボクサー出身。
 ボクシング興行のプロデューサーを務めているので、一度見に来てくれないか、という内容でした。

 実は、これまでも何度かお誘いを受けていたのですが、あまりボクシングに関心がなかった私は、顧問先様には甚だ申し訳ないと思いながら、ボクシングの興行収入を監査している担当社員に代理出席を頼んできました。

 今回いただいたチケットは、良く見ると最前列の1番と2番とあります。
 開催地が新宿だったこともあり、地方での顧問先学校法人の理事会から帰京した足で、会場に向かったのです。
 生まれて初めてのボクシング観戦…。

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■だんだんと、ボクシングにはまって…

 歌舞伎町のビルのなかにある会場に着くと、20代の若い男女でいっぱい。
 髪の毛の色も様々、小さな子どもを連れた若い夫婦、見るからにボクサーの卵のような若い男性、ビールを持ちながら闊歩する膝上ミニスカートの若い女性…でも、なにかとても楽しそうで、会場がエネルギーにあふれているのです。好きなことに熱中している、楽しくて仕方がない…そんな熱気を、体全体で感じるのです。

 会場の熱気には酔いつつも、やや場違いのような堅いジャケットを着た私。
 「ここはボクシング好きな若い人たちに任せて、何試合か見たら、誘っていただいたプロデューサーに挨拶して失礼して…」と思いながら席に着いた私。
 しかし、一番前のコーナーリングのすぐ後ろに座って、選手の動きに合わせて、パイプ椅子から右や左に身を乗り出しながら見ているうちに、だんだんとボクシングにはまっていったのです。

 

■“こだま”のようにはね返って

 テレビ中継されるような15ラウンドマッチとは異なり、この日は3分×3ラウンド。 それだけに、1ラウンドから打ち合いになるケースも多く、KO劇の連続。

 目の前で繰り広げられる、男と男のこぶしのぶつかり合い。 決してうそ偽りで着飾ることもなく、裸と裸でぶつかり合い、前に向かって戦い続ける。時に立ちすくんで殴られっぱなしでも、とにかく倒れずに踏ん張り続ける。
 倒れなければ、負けることはない。 倒れさえしなければ、一打逆転で勝つチャンスは決して消えない。 「逃げるな、足を止めるな、引くな、前に出ろ!」セコンドから、場内から、必死になって応援する声が、場内に響く。
 最終ラウンドになると、フラフラになりながら精神力だけで戦っている。 時に血を流し、脳震盪でドクターチェックを何度も受けながらも、相手に挑んでいく。
 倒れさえしなければ、勝つチャンスはあるのだと。

 目の前で必死に戦うボクサーを、手に汗を握って、 「頑張れ!負けるな!引くな!」 「倒れさえしなければ、勝つチャンスはあるぞ!」 と、心のなかで応援しながら、その声が選手から“こだま”のようにはね返って、戦う選手の姿から逆に励まされている自分に気がつくのです。
 厳しい時代を生き抜く経営者の皆さんに、是非とも見ていただきたいのです。
 ボクシングのリングサイド席のチケットを、経営の最前線に立たれる顧問先様にお配りしたいくらい…“生きる力”と“倒れなければ勝つチャンスはある”ことを、まさに肌で感じる一瞬なのです。

当日の試合結果はこちら (ゴッド・ブレス・ザ・リング

 

■セミファイナル、生涯現役

 なかでも、最も盛り上がったのがセミファイナル。
 青コーナーから登場した選手に、今日一番の大きな拍手が。 しかし、色黒の顔、たくましい体つきのなかにも、年齢を感じる選手でした。まるで、戦い続けてきた“明日のジョー”のような感じなのです。
 場内アナウンスが、 「213戦、175勝、88KO、38敗」 「生涯現役」 と紹介すると、それはそれは大きな声援が飛ぶのです。
 30代後半くらいかな。最後に、足が止まらなければよいが…。 判官びいきで、明らかに年齢の高い方の選手を、自然のうちに応援しているのです。試合の詳細は、リンク先をご覧いただきたいのですが、年齢の高い青コーナーの選手が、3-0の判定で勝利しました。

 そのときまでは、何も知らなかった私。

 

■53歳、おやじファイト…まさか? 

 試合後、トイレに立ち寄った時のこと。
 「それにしてもすごいな。53歳だぜ」 という声が、聞こえてくるのです。 一瞬、「まさか?」と思いました。

 「人間業じゃないよな!53歳までボクシングで試合を続けるなんて…」
 セミファイナルに登場した、あの明日のジョーのような選手のこと…? そのとき初めて、先程のセミファイナルの選手が53歳だったことを知りました。

 その驚きといったら、ありません。
 なんと、私よりも年上の選手が、血を流しながら、ドクターチェックを受けながら、ついさっきまで目の前でボクシングを戦っていたのですから。
 あの会場からの万雷の拍手・声援は、このことだったのか―-。 そういえば、勝利者の手を上げるレフリーまで、感動の面持ちで、目を潤ませながら勝利者の肩を叩いていたことを思い出しました。
 後日プロフィールを見ると、33歳以上のボクシング大会、ザ・おやじファイトのミドル級王者と紹介されていました。



■51歳、フルマラソンに挑戦!

 この度、税理士法人を、『TFS国際税理士法人』に商号変更いたしました。

 急速に展開する中小企業の海外進出に備え、中国アジア業務本部を西新宿オフィスに設置することといたしました。中国人スタッフとともに、とくに中国・アジア方面への中小企業の海外市場拡大等のコンサルティング部門を強化して、顧問先様の市場拡大に貢献できればと思っております。

 これまでの国内における税務会計&コンサルティング業務の強化はもとより、新たに国外に目を向けた業務を展開することで、より広範囲のニーズにお応えしていきたいと、意気込んでいます。

 税理士法人の商号変更にともない、新たにパートナーとなる代表社員として鵜高利行 公認会計士・税理士を迎えました。
 鵜高利行・代表社員とは、20代の青年会議所活動の頃からの長年の友人でもあり、様々な地域貢献活動も一緒に行ってきました。まさに仕事のみならず、社会活動で目指しているベクトルが一致している、私にとってかけがえのないパートナーです。

 年齢は、私よりも1歳年上の51歳。
 毎週日曜日朝には、マラソン・トレーニングを欠かさず、今週末にはフルマラソンに出場予定。いつも神楽坂オフィスと四谷オフィスを自転車で行き来する、スーパー・タフな会計士です。
 新宿シティハーフマラソンで、いままでの10kmから来年はハーフマラソン挑戦、と意気込むだけで、いまからドキドキしている私とは、鍛え方が違います。

 何卒、末永く宜しくお願い申し上げます。

■53歳、51歳、50歳――ザ・おやじファイト!

 53歳、大江至。生涯現役のおやじファイトボクサー。
 51歳、鵜高利行。フルマラソンに挑戦し続けるタフネス・会計士。
 50歳、山崎泰。ハーフマラソンでドキドキしている鍛え方が足りない税理士。

 年齢は少しだけ違っても、ともに全力で生きて、人生で触れ合う多くの人に「勇気」と「元気」と「希望」を運びたいとの思いは同じはずです。

 ザ・おやじファイト!

 50歳からの生き様が、“こだま”のように社会に勇気を与えることができたら…こんなに嬉しいことはありません。

 

                                                                                            2011年(平成23年)11月

                                                                                                  山  崎   泰