TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

「次の損益分岐点売上高は?」

14.05.30
【バックナンバー】山崎泰の月刊メッセージ(2014年5月まで)

2013年3月1日14:06:00

■デイリーブログ、奮闘中?!?                    

 1月1日から、甚だ拙いのですが、デイリーブログを綴っています。

  実は、以前から少しずつ書き始めてはいたのですが・・・なかなか毎日続かず、書いたとしてもとてもUP(公開)するには拙い内容すぎて、ためらっていました。

 しかし、恩師でもある上甲晃・松下政経塾元塾頭をお招きして、昨年12月に開催した「感謝の集い」のなかで・・・毎日1,100字のデイリーメッセージを21年間続けてこられた姿に、「よしっ、始めよう!」と心に決めた次第です。

  いまから20年間、書き続けて・・・やっと恩師と同じ年齢です。
  経営者として私が"なにをどう考えて経営しているのか"、社員さんにメッセージとして伝えるためにも、子供たちに、"父親としての生き様という財産(になれば良いのですが・・・)"を遺しておくためにも、日々、続けていきたいと、思っています。

■一番身近な社員さんにも役立つように・・・


  ですから、日々のブログは、広く配信するとともに、一番身近な社員さんにも役立つように・・・との願いも込めています。
  毎週月曜日、社員さんに送っている「今週のメッセージ」にも、是非とも読んでおいて欲しいブログは、折にふれて引用・・・

  やり取りを、少しご紹介してみます。


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20130309 

今週のメッセージは、日本の建国記念の日と、中国の春節にもふれてみました。

  社内ミーティングや勉強会でも良くいわれていますが、士業のコンサルティング・グループとして、関与先様に様々な情報提供、アドバイスをするのが本業ですよね。
  ときには最近の中国情勢は? とか、建国記念の日って? とか、
  経営者の方に、ふと聞かれないとも限りません。

  専門性を磨くことも大切にしながら広く社会事象を知っている幅の広さが、顧問先様からの信頼・安心感を抱いていただくことにつながるように思うので、少しだけデイリーブログをご紹介します。



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2月8日(金)『上海からの客人』
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■中国の春節


  中国は、2月9日~2月15日までが旧正月。
  中国の2月9日は、日本でいえば12月31日、大晦日。
  中国の2月10日が、正月初一。日本でいえば元旦。

  春節明けの出勤は、2月16日からということになる。 
  春節を利用して、上海からの来客。



■最近の上海事情


20130310
  上海での生活コストが高くなってしまって、労働者が集まらないという。
  以前は募集をかけると、50人くらいはすぐに集まった会社が、今では誰も応募がないとの悲鳴も聞くとのこと。
  日系企業の人材確保も難しく・・・なかには春節が明けたら、中国人労働者の半分が戻って来なかったというケースも。
  春節明けに戻ってきたらボーナス半分、という自衛策をとる企業すらあるという。

 
中国人にとって、上海での生活コストがあまりにも高くなってしまったことが原因。 

  上海の家賃は、3,000元/月
(参考:1元=14.87円  2月8日現在)。

 どんなに安くても1,500~2,000元/月くらいはかかる。
 アパートに3~4人で住んで、ルームシェアしても、500~800元/月くらいはかかってしまう。

  地方にいれば、家賃はせいぜい300~500元/月程度。実家にいれば、家賃はかからない。


  20130320


 昼食・・・上海ではどんなに安くても、10元。⇔地方では、5元以下。
  ちなみにトウモロコシ・・・上海では2.5元。⇔地方では、1元以下。


  上海へ来たら、マンションも嫁さんも見つけなければならない・・・マンションを持っていなければ結婚もできない。
  そんな事情から、上海での労働者が減っている。
  「実は、日系企業の賃金は、欧米企業に比べて高くないことも、中国人は知っているのです」
  こんな事情も、日系企業の労働者不足に輪をかけているらしい。
  


■上海のみならず、大連、そして広州からも・・・

  上海のみならず、大連、そして世界の工場といわれた広州からも・・・
  生産拠点を撤退・縮小して、東南アジアへと南下させる企業が後を絶たない。

  これからは中国で生産して、中国外へ輸出だけではダメだ! と、強くアドバイスされる。
  中国で生産して、中国でも販売する。
  中国市場に受け入れられる商品・製品にしなければ。

  先日出かけた、中国撤退セミナーの盛況振りを思い出しながら、複雑な気持ちでじっと上海事情に聞き入っていた。



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2月11日(月・祝日) 『建国記念の日&海軍カレー』
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■建国記念の日は、『建国をしのび、国を愛する心を養う日』

  昨年に引き続き、午前10時から靖国神社で建国記念祭に参加。
  家を出るとき、息子に「今日は何の日か知ってるか?」 と聞いたら・・・
  「大日本帝国憲法発布の日でしょ」と即答。
  たっ、確かにそうだが。いかにも受験世代・・・
  建国記念の日は「建国をしのび、国を愛する心を養う日」。

 

■そもそも、なぜ2月11日??

  1966年(昭和41年)に祝日法が改正され、国民の祝日に加えられて、翌1967年2月11日から適用。 
  そもそも、なぜ2月11日なのか・・・遠く日本書紀まで遡る。 
  紀元前660年2月11日、神武天皇が即位された日とされる。
  まさに、神話の世界。 

  だから、今年は確かに西暦2013年でもあるが、皇紀2673年であることも忘れてはならない。 日本人として、日本という国の誕生を祝う日でもあること・・・  夕食の時にでも、あらためて子供たちにも聞かせなければ。 


 参集殿での参拝を終えた後、隣接する遊就館を拝観。
  そして遊就館1階の喫茶室で、思わず海軍カレーを注文。
  明治41年の海軍割烹術参考書のレシピに基づいて、忠実に再現しているという・・・さてさて、味のほどは?? 


20130312 

 


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2月12日(火) 『次の損益分岐点売上高は?』
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■若手社員へのメッセージ

  若手社員へのメッセージを、少し引用してみます・・・
  士業チームとして、税務や税務会計のみならず、管理会計にも強くなれるように、事業計画書の数値を"頭の中で"出せるように、日々、トレーニング!  

■下記の損益分岐点売上高は?  

20130313

 売 上  2,000万円
 限界利益  400万円
 固定費  300万円
 利 益  100万円

 

  2月7日に開催されたTKC主催の「選ばれた事務所を目指す!業務品質向上セミナー」でのひとコマ。  
 講師の先生は、社員さんがいきなり電卓を叩き始めたので・・・烈火のごとく、怒ったと仰っていました。  
  みなさんは、大丈夫ですよね!!  
  答えは、1,500万円。  

 売上高(1-変動比率)-固定費=利益




20130314 
一般に管理会計では、S(1-α)-FC=Pという算式で覚えます。  
  2,000万円×(1-0.8)-300万円=100万円  
  この式さえ覚えていれば、あとは右辺と左辺を変換するだけ。中学の数学のようなものです。  

S×(1-α)-FC=P  
損益分岐点なので、P=0として、
S×(1-α)=FC  
S×(1-0.8)=300万円 
S×0.2=300万円 
S=300万円÷0.2  
S=1,500万円  



■どんなに売り上げても、利益として上げられる限界・・・だから『限界利益』

  売上高2,000万円だとすると、
  売上に連動してどうしてもかかる変動費が、1,600万円。

  したがって変動費率0.8となります。  
  この会社は、どんなに売上を上げても、売上×0.8は変動費としてかかってしまう。  
  だから売上×0.2=限界利益(利益として上げられる限界)ということになるわけです。  

  どんなに頑張っても、売上の2割しか、利益を上げられないから・・・限界利益と呼ぶのです。  

20130319 

したがって、(売上には関係なくこの会社にかかる)固定費が300万円あるのですから、
  300万の利益を上げれば=固定費とトントン。  
利益=0、すなわち損益トントンのラインになるのです。 


  すなわち300万円の固定費を回収するためには
=300万円の利益を上げるためには
=300万円÷0.2
=1,500万円
が、損益分岐点売上高となるわけです。  

 

20130316


■電卓を使うな!!

 この計算をトレーニングして、瞬間的に頭のなかで行うだけで、暗算で顧問先様にお示しするだけで、顧問先様からの信頼度(尊敬度??)はかなり違うのでは!  

  そして、年間の損益分岐売上高1,500万円を12で割って、毎月125万円は売り上げてください、と図と数字を書きながら 関与先様の社長、そして営業会議でお伝えするのです。 

  一日の売上にすると4万円です!といって営業会議や経営幹部の集まる場で、目標数値を示して差し上げるのです。  


  月単位、日単位、部門単位、部課単位、商品・製品単位に・・・できるだけドリルダウンして、目標値を明確にして差し上げるのです。  

  目標値がドリルダウンされればされるほど、責任の所在がハッキリして、担当者が数字達成に責任をもってもらえるようになります。


  それを超えて売り上げた分が、会社、そして皆さんの利益です。  
  だから頑張ってください。  その利益から、決算賞与も出るくらいに一緒に頑張りましょう!  

  私も担当者として毎月、事業計画書をもって予実管理をしに来ますから!!
  といって、インセンティブをもっていただくのです。  

 税理士部門以外の士業の皆さんにも、簡単にできる暗算なので・・・是非ともお勧めします!!   
  今週も、さらなる士業のプロ集団目指して、一緒に力を合わせて頑張りましょう!



20130317 


  こんな感じです・・・

  先月もお話しましたが・・・
  電卓などを使って難しいそうな計算をするのではなく、
  頭のなかで整理して、やさしくわかりやすく説明できるかどうか!
  私たちプロフェッショナルの真価が問われる場面でもあります。

  関与先様はじめ、より皆様のお役に立てるように・・・社内勉強会などで絶え間なくスキルアップを図っていくこと、これからも大事にしてきます!        

   

平成25年(2013年)3月                

   

  山  崎  泰