"Square"=決済革命
■「Square 」ご存じですか?
2013年5月、日本に上陸した「Square」!
先日、遅ればせながら、当社でも「Square」に関する社内研修会を実施。
あまりの便利さに、感心して、事務所に来られる顧問先、来られるお客様に紹介するうちに・・・
「へー、初めて知った!」
「話には聞いたことがあったけど・・・」
「とても便利!ウチでも使いたい・・・」
社内勉強会の際に「Square」社から預かっていた端末機「Squareリーダー」も、あっという間に配り切ってしまい、皆さまの関心と人気の高さを実感したのです。
顧問先の皆さまが、「Square リーダー」を、あまりにも飛ぶような勢いで持って帰られるので・・・
実は国内ではあまり知られていない、使われていない、メジャーでないのかも???と思い始めて、今月のメルマガでも取り上げてみることにしました!!
■「Square」創業者、ジャック・ドーシーの志・・・
「Square」は、Twitterの創業者であるジャック・ドーシーが世に送り出し、海外では超有名なプロダクト!
「Square」は、ジャック・ドーシーの友人で、ガラス職人だったジム・マッケルビーが、自らのガラス製品を、クレジットカード決済を提供していなかったばかりに、売り損ねてしまった―「悔しくて、にがい原体験」からスタートしています。
それだけに・・・
「Square」は、小さな店舗の皆さんを支えることが、最も重要。
信用面からクレジットカード決済を提供することができず、高価な端末も入手することができない
小さな店舗の皆さんは、スマートフォンのような汎用的な端末であれば、簡単に使えることができるようになる。
我々は、“何も持たざる人”を支援する立場に立つ。
こう語るジャック・ドーシーからは、個人事業主や中小企業など、小さな規模の企業にも、無料同然で、大企業と同じ武器を手にしてみせる・・・そんな強いメッセージが伝わってきます。
中小企業のビジネスドクターたらん!との想いで、日々走り続けている職業会計人の一人として、ジャック・ドーシーの試み、その気概は、深く心に響くものがあるのです。
■「Square」は、こんな使い方です・・・
- 「Square」のアカウントを作成。アカウント承認後、「Squareリーダー 」が手元に。
- 無料の「Square レジアプリ」をインストール。売りたい商品情報やレシート内容などを、登録しておきます。
- 手元に届いた、親指くらいの小さな正方形(正方形ゆえ「Square」)の端末を、スマートフォンやタブレットのイヤホンジャックに差し込みます。
- 登録した商品をそのまま選択するか、金額を直接入力することもできます。
- スマートフォンなどに差し込まれた「Square リーダー」と呼ばれる端末に、目の前のお客様のクレジットカードを滑らせるだけ。
カード情報が暗号化されて、送信されます。 - 目の前のお客様は、指をつかってサイン!EmailまたはSMSメッセージで、お客様にはレシートが送信されます。
- 売上代金は、銀行口座に直接振り込まれる仕組みです。
■いつでも、どこでもモバイル決済!
Make Commerce Easy!(あなたの商業活動を、簡単にする!)
ひと言でいえば、「Square」の目指す理念は、ここにあります・・・当社の勉強会で、こう言い切る「Square」社の日本人スタッフ。
スマートフォンやタブレットのイヤホンジャックに、簡単に取り付けただけのクレジットカードリーダー「Square」によって、いつでも、どこでも、すぐに簡単に、
カード決済を可能にするという目的から、すべてが始まっています。
「Square」をみていると、確かに決済端末自体もシンプルなのですが、商品と対価のやりとり事態をシンプルにしたい!という、ジャック・ドーシーの想いが、
一連のシステムに貫かれているように思えてなりません。
■手数料は? 売上代金の入金は?
「Square」のスワイプ(クレジットカード決済)1回あたりの手数料は、3.25%。
現在使えるカードは、Visa、MasterCard、AMERICAN EXPRESS・・・
担当者によると、JCBやDinersなども近々に使えるようになりそうです。
決済は、最短でなんと翌営業日!
三井住友銀行またはみずほ銀行の口座登録をされている場合は、翌営業日の入金。
それ以外の金融機関では、毎週金曜日の入金。
3.25%の手数料をどうみるかは、意見のわかれるところ・・・
私どもの顧問先にヒアリングしてみると、4~5%のクレジット手数料+カードリーダー購入費用がかかっていることに比べれば、「Square」はかなり人気のもよう・・・
「初期導入費用なし」
「解約料なし」
「月額固定費用なし」
「銀行振込手数料なし」
という「Square」の“売り”は、かなり有難いとのことでした。
請求書を作成~お客様に送付~入金管理~入金日が遅れれば連絡~送金手数料は当方持ちのことも・・・そんなこんなを考えてみると、手数料3.25%を払ってでも、翌営業日入金は資金繰りの観点からも、とても魅力的に映ります。
『入金は一日でも早く!』
日頃から、顧問先に、しつこいくらい、こうアドバイスしている私ども会計事務所としても、「顧問先を、資金繰りから守る」という観点からは、かなり有用なシステム!!
■売上データ分析も・・・
加えて、現金決済や現金収入の記録も、「Square」を使って追加費用なしで行える点も、会計事務所とすると、かなり魅力的に映ります。
現金決済時のレシートも、テキストメッセージやメールで、お客様に送信できるようになっています。
同じく無料でダウンロードできる「Squareレジ 」アプリを活用しながら、売上に関するデータを会計ソフト等に取り込むことで、業務効率化・省力化にもつながり、売上履歴・商品分析等にも役立てることができ、経営会議・営業会議・販売会議等々の際の、詳細な資料づくりにも大変効果があります。
■「ポスト・ジョブズ」とまでいわれるジャック・ドーシー
スティーブ・ジョブズ氏亡き後、「ポスト・ジョブズ」とまでいわれるジャック・ドーシー。
ジャック・ドーシーの生み出したTwitter・・・140文字という短いつぶやきを通じて、これまでつぶやく場すらなかった、小さな声の人たちの「声なき声」を世の中に出すことに。
ジャック・ドーシーの第2弾「Square」・・・クレジットカード決済の導入審査が厳しく、カードリーダーの高い導入費用等、数々の障壁に阻まれて、「カード決済」という重要な手段を持てなかった、小規模企業者の「声なき声」を叶えることに。
私自身、かつて信販会社の顧問も務め、また今でも中小企業の顧問先がカード決済導入できずに悩んでいる姿を見続けているだけに・・・
ジャック・ドーシーの掲げる
「何も持たざる人を支援する!」
「中小企業に、大企業と同じ武器を手にできるようにする!」
という理念に、ビジネス・ベースを超えて、共鳴するのです。
■Square インパクト!
私自身(セキュリティ面など、少し心配の余地は残りつつ・・・)
「Square」をどんなに紹介しても、「Square」がどんなに売れても、何ら個人的な恩恵にあずかるわけでもありませんが、中小企業の決済手段の多様化、資金決済の迅速化は、政府のかかげるどんな中小企業施策にも勝るとも劣らない「重要なインパクト!」のように思えてならないのです。
かつて、携帯電話になんでもかんでも機能をつけて、国内で争っているうちに、世界で使われ始めたシンプルな携帯電話が、グローバル・スタンダードになり、「ガラパゴス島の動植物」のように、世界から孤立して、置いて行かれてしまった・・・
日本には、こんな“にがい経験”があります。
アメリカでは、スターバックス全店7,000店舗で「Square」での支払いが可能です。
日本の決済システムも、国内の様々な障壁に阻まれているうちに、携帯電話のときのように「ガラパゴス化」にならなければよいのですが・・・
平成26年(2014年)2月 |
山 崎 泰 |