TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

『金繰りを心配し始めると、ラーメンの味が落ちる!』~ 経営者の名キャディに徹する、熱血!信組理事~

17.12.01
経営全般
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■ 新宿区『地域クラウド交流会』

国道20号甲州街道、新宿通り。。。
新宿通り沿いに位置する当社から、わずか信号2つ先にある第一勧業信用組合本店。
その第一勧信が仕掛け人となって各地で開催を展開し続けている『地域クラウド交流会』が、地元・新宿区で初めて開催!

正直申し上げて、露ほども『クラウド交流会』なるものの開催情報を知らなかったのだが、熱心な当社若手社員に誘われて、ひとり1,000円(安くてビックリ!)の会費を払って、これも地元の地域区民ホールに入場。

冒頭の基調講演は、主催者である第一勧業信用組合・新田信行理事長

みずほHD合併前の第一勧業銀行出身、まさにエリートバンカー出身にもかかわらず・・・
信用組合理事長の殻を破った、ホンネで惹きつけられる講演内容に、思わず引き込まれる。

ホンネ講演のエッセンスを、少しだけ紹介してみたい!


(つづく)
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■ 金繰りを心配し始めると、ラーメンの味が落ちる!

ラーメン屋の親父に、中小企業経営者の心理状態と経営との相関性をたとえた、まさに名言。。。
思わず、一生懸命、iPhoneでメモを取りまくってしまった。

企業経営者は、目の前の業務課題に、
日々いかに全力投球できる状態でいれるかどうかが、大きな課題。

目先のカネ繰りを気にし始めると、どうしてもそのことに気を取られて、
仕事をしながらも、いつのまにか、ボ~~とカネのことが頭に浮かんでしまう。

企業経営者なら、一度ならずとも、こんな経験があるはず。

会計事務所を経営していると、
顧問先の資金繰りの重~~い心配が、複数社にわたって重なることも少なくなく、
返済や支払を心配して、目先の仕事に集中しきれない・・・
そんな企業経営者の気持ちが痛いほどわかる。

その気持ちを、
金繰りを心配し始めると、ラーメンの味が落ちる!
で、わかりやすいひと言で言い表してくれる。。。

中小企業の味方たる、信用組合理事長ならばこそ、本当に心強い!!


■ 金融機関、経営者にとっての『キャディ』のようなもの!

ゴルフのショットを打つ瞬間、
どんなに接待ゴルフでも、その瞬間は、ショットを打つゴルファーが主役。

経営者が目の前に置いたボール、
次のショットに集中して、精神統一してクラブを振り始める。

打った後はボールの行方を確かめて、万が一、大きく外れそうになれば、
他の人に迷惑をかけないように、安全のためファ~と声を上げて注意を呼びかける。

ティーグラウンドでは、ピンまでの残りヤードを、正確無比に教えてくれて、
時にクラブ選択までアドバイスしてくれる。

グリーンでは、芝目の読み方まで教えてくれて、最後の詰めまで付き添ってくれる。 


企業経営者にとって、
ティーショットを打つ“創業”時に支援をもらい・・・、
道を外れそうになるときには、注意を喚起してくれて・・・
目標達成までの距離感・残る課題なども一緒に考え・・・
最後の詰めをも誤らないように、目を凝らしながら・・・
最終的に事業目的を達成し成功を収める“カップイン”の瞬間まで・・・

まさに『キャディ』のように付き添ってくれる
そんな金融機関と出会うことができたなら、なんて心強いだろう!!


■ 経営者、とりわけ創業者にとって大切なチカラは『ないものに気づく』チカラ

経営学では「3C分析」ということがよく言われる。

 • Customer:市場・顧客
 • Competitor:競合
 • Company:自社

とりわけ創業者にとって大切なことは。。。

世の中や社会は求めているのに、誰もやっていないものは?
自分から一歩離れて見るチカラ、いわば幽体能力ともいうべきチカラ
金融や産業構造全体に目を転じてみれば、
もし金融庁長官、経産大臣だったら、日本には何が足りないのだろうか?

自社にないものに気づくチカラ
地域にないものに気づくチカラ
日本にないものに気づくチカラ
ひいては社会にないものに気づくチカラ・・・
でも、社会から求められているものに気づくチカラ!!

長年、経営学でいう「3C分析」を頭の中では理解して使っていたが、
『3C分析=ないものに気づくチカラ』と言い換えられる説得力に、ただただ脱帽。。。


■ 経営能力は=決断力×行動力!

経営者にとっては、まさに止まっていることがリスク。
PDCAどころではない!

今の時代は、
Do!Do!!Do!!!Do!!!
Action!Action!!Action!!!Action!!!!

学生時代以来、PDCAを呪文のように唱えてきた世代だけに、
我々よりも人生の先輩である理事長から、このように勢いよく鼓舞されると、
恥ずかしながら目が覚める想い。


■ 事業はひとりではできない!

つながることが、付加価値を生む。

まさに、徳川家康の極意。。。
家臣を率いる要点は、家臣から惚れられること。

家康曰く・・・
「機嫌をとってもならず 押さえつけてもならず」

家臣ならぬ社員と、ともに夢を見ること。
社員、社員の家族、お客様、そして社会とともに、夢をみること。
そうして、家臣ならぬ社員から、心服される経営者に。

そして、新田理事長は講演の最後に、こう付け加えられました。

いわゆる地域金融機関は、小資本の企業がお客様でもあり競争も厳しく・・・
まさに
レッドオーシャン?!


そんななか、創業支援をこれだけ展開している第一勧信・・・
その意味では、全くの
ブルーオーシャン!!


当社ならびに本店を置く、地元信用組合だけに、
少し贔屓(ひいき)気味になってしまったかもしれないが。。。
どうかお許しいただきたい。

(地元を差し引いても・・・)本気で中小企業を応援しようという金融機関トップの心意気に、
先月の『陸王』をも思い出して、力が入ってしまった次第!

もちろん同組合に限らず、企業にやさしい金融機関とともに、
カネ繰りに心配なく、本業に専念できる企業環境づくりに貢献することができれば、本当に嬉しい。


      平成29年(2017年)11月
             山  崎   泰