TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

ファイナンシャル・プランナー花輪陽子のシンガポールたより vol.67

24.04.12
経営全般
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◆日銀が利上げしても、円安が止まらない理由
 海外の報道や街の人から聞いた「日本円」への声


こんにちわ。シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。

シンガポール在住の世界三大投資家のジム・ロジャーズさんが4/3(水)のグッドモーニングに出演しました。

動画等の様子を下記サイトに掲載しております。
https://note.com/yokohanawa/n/n173268a4cd40


 

日銀は、3/19にマイナス金利時代に終止符を打ちました。

日銀の利上げのニュースは海外のメディアでも大きく取り上げられました。

シンガポールのラジオでは、アナウンサーが「安い日本に行って、お金を使いまくろう!」
と言っていて、思わず吹き出してしまいました。
実際に周りでも日本に旅行に行く方が非常に多く、北海道に家族旅行で行って、
スキーを楽しんでいる方もたくさんいます。
1食6,980円のインバウンド丼が日本で飛ぶように売れているようですが、
シンガポールでは60シンガポールドル(113円だと、6,780円)前後の海鮮丼も
普通にあるので、
彼らからすると高いと思わないのかもしれません。
日本に行くと、中華系の人達の間でもイントネーションですぐに、「シンガポール人だ!」
と分かってしまいます。実際に中国人の観光客の多くはまだ日本に戻って来ていないので、
多くがアジアの方だと推測されます。

また、ゴルフ場のカフェにいたシンガポール人の50代の男性達も日本の不動産が安くて、
投資をするのは意外と簡単だし、税金もそんなに高くないという話をしていました。
日銀の基準金利はこれまでマイナス0.1%でしたが、
翌日物金利をゼロから0.1%の範囲にとどめることを決定し、
金融政策手段としてのマイナス金利の使用を終了した最後の中央銀行となりました。

日銀はまたイールドカーブ・コントロールを解除しました。
こちらは2016年に実施された別の政策で、10年物国債の利回りに上限を設けることで
大規模な金融緩和策を強化するものでした。

日銀は日本国債を毎月約600億円(400億ドル)購入する政策を維持すると発表しました。
他方で、上場投資信託と日本の不動産投資信託の購入は中止します。

「大規模な金融緩和策が役割を終えた今、バランスシートの縮小を考える必要がある。
  将来のある時点で、日本国債の購入額を引き下げることになるでしょう」と上田氏は語っています。

FT Bank of Japan ends era of negative interest rates
【フィナンシャルタイムズ】 日銀がマイナス金利時代を終了
https://www.ft.com/content/67f51286-4e3f-465e-a780-2fe8ea0f4246


日銀が国債の買い入れを続ける理由として、
実質賃金がネガティブで推移していることが挙げられます。

消費者物価指数の上昇は落ち着きが見られますが、物価で調整をした賃金がまだ弱く、
家計は厳しい環境が続いています。

FT How high will borrowing costs go once Bank of Japan ditches negative rates?
【フィナンシャルタイムズ】
日本銀行がマイナス金利を廃止すると、借入コストはどれくらい上昇するでしょうか?

https://www.ft.com/content/add7d18c-cf64-414c-a54a-7316a1830f9a


このように、利上げは行うものの、金融緩和は継続させるというスタイルなので、
日米の金利差は開いた状態が続くという見方が強まっています。
債券市場では10年債の価格が逆に上がって(利回りは下がって)、円を売って、米ドルを買う
動きが進みました。次はいつ介入が行われるのか注目されているようです。

■マイナス金利が解除されると家計はどう変わるのか。

マイナス金利解除によって、メガバンクの金利が20倍程度に上昇するというニュースが
メディアでも賑わっています。

しかし、元々の金利が世界的に見ても低過ぎるので、
円ベースでは、物価の上昇ほどは金利による収入が増えません。
米ドルなどは、為替リスクはあるものの、6ヶ月の定期で、
日本の金融機関でも5%前後の金利が付いています。

住宅ローンはどうでしょうか。
短期プライムローンと連動している変動金利は据え置きですぐに負担は増えません。

固定金利は、長期金利を参考に決定されます。
代表的なものに、「新発10年国債利回り」があります。
利回りの水準は、国内外の投資家が参加する市場で決まります。

今回は、利上げのニュースがあっても、国債の利回りが下り、円安にふれました。
将来的には利回りが上昇するリスクもあります。
また、住宅ローンの長期金利の方が市場の実勢から先に金利が上がる傾向があります。


続きは会員サイトからご覧いただけます。
https://100mylifeplan.com/2024/03/31/cl-137/

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お知らせ ■□■□
◎ジム・ロジャーズ (著)、 花輪 陽子 (翻訳) 

『世界大異変-現実を直視し、どう行動するか』(東洋経済新報社)
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上記サイトではオンラインで過去のセミナーを受講したり、
コラムを読んだり、
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◎まぐまぐ「花輪陽子のシンガポール富裕層が教えるお金持ちになる方法」
https://www.mag2.com/m/0001687882


★プロフィール★

花 輪  陽 子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。

「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。
公式ホームページ http://yokohanawa.com/
twitter: @yokohanawa
facebook: https://www.facebook.com/yokohanawa

書籍 
『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書) 
『日本への警告 米中ロ朝鮮半島の激変から人とお金が向かう先を見抜く 』(講談社+α新書)
    ジム・ロジャーズ 花輪陽子監修

『大転換の時代 世界的投資家が予言』(プレジデント社) ジム・ロジャース 花輪陽子監修
『世界大異変-現実を直視し、どう行動するか』(東洋経済新報社)ジム・ロジャース 花輪陽子翻訳