◆令和6年度税制改正の論議が大詰め
2023年11月17日、自民党の税制調査会で総会が開催され、税制改正の議論が本格化しました。
今回の主なテーマは次のとおりです。
<個人所得税>
◆定額減税
・来年6月に所得税3万円、住民税1万円の減税
※所得制限の有無、源泉徴収事務の方法が今後の注目点。
◆扶養控除の見直し
・児童手当の対象拡大に伴う
「高校生の扶養控除の縮小」が検討中
◆住宅ローン減税
・来年入居分から実施される縮小について
環境性能の高い住宅の現状維持が検討中
◆スタートアップ関連税制
・ストックオプション税制などで見直しが検討中
※退職所得控除など退職所得課税の見直しは、
令和7年度改正以降に先送りの見通しです。
<法人税>
◆賃上げ促進税制の拡充・長期延長
・中堅・中小企業を対象とした繰越控除措置の創設などが検討中
◆交際費の課税の特例措置の拡充・延長
・中小企業の年800万円まで損金算入できる特例は2年延長で調整中
・飲食費の1人5,000円基準は物価高を踏まえ上限引上げの要求もあり、
引き続き検討中
◆中小企業の30万円未満の少額減価償却資産の特例の延長
・延長されるかどうか、が注目すべき点です。
◆地方拠点強化税制の延長
・今後も企業の地方移転を促す観点から2年延長で調整中
◆戦略分野国内生産促進税制の創設
・対象:戦略的な長期投資が不可欠となる蓄電池、電気自動車、半導体などの投資
・方法:生産量に応じた新たな減税を創設
◆イノベーションボックス税制(知的財産の税優遇)の創設
・どの範囲まで減税対象とするのか検討中
<法人事業税>
◆外形標準課税の基準の見直し
・資本金1億円基準に加えて「資本金+資本剰余金(50億円超)」が案に
・対象は約1,500社で中小企業への影響は少ないと見られています。
<資産税>
◆事業承継税制の特例承継計画の提出期限の1年延長等
・提出期限が「来年3月31日まで」のため、期限の延長を検討中
<防衛増税>
◆防衛増税(法人税・所得税・たばこ税)の開始時期
・増税の開始時期について:令和7年度・8年度のいずれかが示されています。
・時期の先送りを求める声も多く、かなり微妙な状況です。