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朝礼や待機時間は労働時間に含む?

16.08.12
ビジネス【労働法】
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始業前に朝礼や準備体操を実施している会社は多いと思われます。

朝から気持ちを高めて、社員が一丸となって仕事に取り組むために一定の効果があるようです。

この朝礼や準備体操の時間は労働時間に含まれるでしょうか?

始業時間前に朝礼を行って、朝礼の時間を労働時間外としている会社も見受けられるようです。
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労働時間は1日8時間、1週間で40時間と決まっています(労働基準法32条)。

労働基準法36条に基づいた労使協定を結んで、行政官庁に届け出ることによって、労働時間を延長したり、休日に労働させることができるようになります。

いわゆる36協定です。労働時間の定義については判例が出ています(三菱重工業長崎造船所事件 最一小判※平12.3.9)。 

労働基準法上の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう」とされています。

朝礼や準備体操は事業所で行われ、会社命令で実施されますので、労働時間と判定されます。

朝礼の時間を含めて1日8時間の労働時間を超えているならば、超えた時間については割増賃金の対象となります。 

労働時間でほかにもよくトラブルとなるのが待機時間です。

突発的な業務が発生したときのために待機している時間で、実際に労働に従事しているわけではありません。

会社としては労働時間としては認めたくないかもしれません。しかし、待機時間に関しても判例が出ていて、労働時間に該当します。 

ビル警備員の仮眠時間が労働時間に該当するかどうかが争われたケース(大星ビル管理事件 最一小判平※14.2.28)では、実作業には従事していなくても、警報が鳴った際に対応することが義務付けられているので、使用者の指揮命令下にあると判断されました。

また、住み込みのマンション管理人の所定外の労働時間について争われた、大林ファシリティーズ事件(最二小判※平19.10.17)においても、住民の要求に応じて対応することが求められるとして、やはり労働時間とみなされました。 

短時間で終わる朝礼はともかく、待機時間までを労働時間に含めるとなると、賃金負担が大きくなります。

この場合、賃金体系を根本的に見直したほうがよいかもしれません。

従業員が納得しているのをいいことに放置していると、いざ残業代を請求された際、高い賃金に基づいて割増残業代がさかのぼって計算されることになりますので、注意が必要です。 


※ 
最一小判=最高裁判所第一小法廷判決 
最二小判=最高裁判所第二小法廷判決 


経営者なら知っておきたい労働法


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