コーディアル人事労務オフィス

求人票の給与額と実際の支給額が違うと、法律的に問題があるの?

16.05.13
ビジネス【労働法】
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「新入社員のAが、『給料が約束と違う!』と不満を言ってきました。求人票では月額20万円となっているのに、実際には月額19万円でおかしいと言ってきています」 

「経験がないから、少し下げて様子を見るってことにしたんだよ」 

社員にしてみると、給料がいくらかというのは切実な問題です。

きちんと説明したつもりでも、時間が経ったり、知人などから入れ知恵されると、不満をぶつけてくることがあります。

果たして、求人票の金額と実際の給与額に差があると、法律的に問題があるのでしょうか?
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結論から言いますと、求人票の給与額と実際の労働契約の給与額が異なっていても問題はありません。

求人票はあくまでも見込み額に過ぎないからです(八洲測量事件 東京高判昭和58.12.19)。労働契約に基づいた給与額を支払っていれば、義務を果たしていることになります。 

もちろん、労働契約の給与額と実際の支給額が異なる場合は、差額を支払わないといけません。

労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができることになっています(労働基準法第15条第2項)。 

労働契約は、労働者が一定の労働条件のもとに労務を提供し、それに対し使用者が対価を支払うことを約束した契約のことを指し、書面による契約はもちろん、口頭による契約であっても、労働者・使用者の両者がその契約内容に合意していれば、労働契約は成立していることとなります。 

書面では、次の労働条件を明示しなければならないことが決まっています(労働基準法第15条第1項、労働基準法施行規則第5条)。 

1.労働契約の期間 
2.就業の場所・従事する業務の内容 
3.始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換(交替期日あるいは交替順序等)に関する事項 
4.賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締め切り・支払の時期に関する事項 
5.退職に関する事項(解雇の事由を含む) 

なお、労働条件の明示義務に違反している場合は、30万円以下の罰金という罰則を受けることになります(労働基準法第120条第1号)。


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