コーディアル人事労務オフィス

介護業界とマイナンバー制度(3)「介護事業所の取るべき対策」

15.10.09
業種別【介護業】
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2016年1月からいよいよ「社会保障・税番号制度(いわゆるマイナンバー制度)」の運用が開始されます。10月5日には各人のマイナンバーが決定され、自治体ごとに住民票の住所地への郵送準備が始まっています。

前回お伝えした通り、このマイナンバーは事業規模や業種にかかわらず実施されます。介護事業所もマイナンバーを収集し、安全に管理するための対策を講じておく必要があります。
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国は企業に対してマイナンバーの厳格な管理体制の構築を委ねており、万が一、従業員のマイナンバーが流出した場合などは、重い罰則を科せられることが考えられます。そのため、どのような安全管理措置を行っていたかが重要になります。 

安全管理措置とは、事業者がマイナンバーを含む特定個人情報の漏えいや滅失などの防止のために設定された、安全に管理するための措置です。事業者は従業員のマイナンバーの管理について、この「安全管理措置」を実施することが義務付けられます。 

国が定めたガイドラインでは、安全管理措置として次の4つの分類に区分されています。 

<安全管理措置の4分類> 
1.人的安全管理措置…組織体制の整備や取扱規程による運用 
2.組織的安全管理措置…マイナンバー取扱担当者及び監督者選任、教育・研修 
3.物理的安全管理措置…管理区域の設定、盗難防止対策、セキュリティ 
4.技術的安全管理措置…アクセス管理、アクセス制限、管理システム導入、等 

介護事業者がスタッフからマイナンバーを収集し、安全に管理するためには、以上の安全管理措置に基づき、次のような手順で検討を行う必要があります。 

<マイナンバー管理の手順> 
1.マイナンバーを取り扱う事務の範囲を明確にする 
スタッフの入社に伴う雇用保険の取得届や退職時の喪失届、離職票の作成、市町村への給与支払い報告等の事務が発生します。また、退職したスタッフのマイナンバーを法定保存期間を超えて保管しないように管理しなければなりません。 

2.マイナンバーを含む特定個人情報等の範囲を明確にする 
事業所内で行う事務において取り扱う特定個人情報等の範囲を、明確にしておく必要があります。 

3.事務取扱担当者を選任する 
誰がマイナンバーを取り扱う事務を行うのか、明確に決めておく必要があります。 

4.事業所の基本方針を策定する 
マイナンバーを適正に取り扱うための、組織としての取り組みを、基本方針として明確に策定する必要があります。 

5.取扱規程等を策定する 
マイナンバーを適正に取り扱うための、就業規則や取扱規程等を整備する必要があります。 

マイナンバーは今後、用途や情報量が確実に増えるため、非常に重要で厳密な個人情報になります。そのため、「収集」「保管」「利用」「廃棄」という事務をいかに安全に行うかが、会社の責任となります。十分に検討した上でマイナンバー収集に臨みましょう。 


介護事業最前線 


[記事提供] 

(運営:株式会社アックスコンサルティング)