コーディアル人事労務オフィス

常時10人以上の労働者を使用する際は「衛生推進者」を選任しよう

15.07.30
ビジネス【労働法】
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「あ、痛い!」。鉄板のコイル巻きを中腰の状態で抱えた際、背中から腰部にかけて痛みが生じました。「う、苦しい!」。トイレの清掃中、洗剤がなくなり、別の洗剤を使ったところ、塩素中毒になりました。

このように職場には危険がいっぱいです。思わぬところでケガをしてしまうことがあります。労災として医療機関で治療を受けることができますが、そもそも職場の安全を確保する義務が企業にはあるのです。
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建設業、運送業、清掃業、製造業、通信業、各種商品卸売業や、小売業、旅館業、ゴルフ場業などの労災の起こる可能性が高そうな事業において、常時10人以上の労働者を使用するときは「労働安全衛生推進者」を選任し、労働者の安全や健康確保などにかかわる業務を担当させなければなりません。その他の業種では「衛生推進者」を選任する義務があります。

さらに、多くの人を雇った場合は、人数に応じて安全衛生の組織を整えていく必要があります。 

安全衛生推進者は次のような職務を担当します。衛生推進者については、そのうちの衛生にかかる業務に限られます。 

(1)労働者の危険または健康障害を防止するための措置に関すること 
(2)労働者の安全または衛生のための教育の実施に関すること 
(3)健康診断の実施その他の健康の保持増進のための措置に関すること 
(4)労働災害防止の原因の調査及び再発防止対策に関すること 

健康保険は業務外のケガや病気が対象です。労働者が仕事をしているときや通勤途中に負傷した場合は、健康保険は使えません。労災保険を請求して治療することになります。 

経営者が仕事をしているときや通勤途中でケガをした場合はどうすればいいでしょうか? 

業務中ですから健康保険は使えません。労働者でもないので労災保険も使えません。保険が使えずに自費で治療しなければならないことになってしまいます。そのような事態にならないように、中小事業主や一人親方については労働保険に特別加入することができる制度が設けられています。 


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