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こんどは、リアルタイム・マーケティング! それって、いったい?:その3

15.07.30
ビジネス【マーケティング】
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3回にわたってお送りしているリアルタイム・マーケティングは、今までご紹介したようなスーパーボウルでの停電や、ブラジル・サッカーW杯でのスアレス選手によるイタリア人選手への噛みつき行為など、予想不可能な事態でだけパワーを発揮するわけではありません。 

「起こるのが分かっているメジャーなイベント」にも十分に適用でき、上手くいけば大変なパワーを発揮します。その代表的なものは、4月1日のエイプリル・フールがらみの施策です。
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25年前、1990年4月1日に掲載された豊島園の「史上最低の遊園地」は、広告界ではもはや伝説になっていると言えるでしょう。4月1日になると今でも、ネット施策を中心にさまざまなアイディアが競われています。 

記憶に新しいのは、2013年4月1日に「はなまるうどん」が行った『まるごとダイオウイカ天』キャンペーンです。その頃、NHKの番組を発端に大きく注目されていた「ダイオウイカ」に上手に乗っかりました。 

はなまるうどんは4月1日にウェブサイトで、「本日4月1日から、ダイオウイカをまるごと使用した“まるごとダイオウイカ天”を販売。価格は87,000円、1週間前までに予約が必要」としました。 

さらに「全長18m、重量500キロのダイオウイカの鮮度を逃さずカラッと揚げるため、はなまるは25mの特製天ぷら鍋と80mのクレーン車を使った“まるごとAGTT(揚げたて)製法”を開発した」などの記述が続きました。 

1日午前0時に掲載を始めたところ、午前2時ごろからソーシャルメディア上で話題になり、翌朝から夕方にかけて話題が沸騰。同社のサイトへのアクセス数は通常の24倍にもなりました。 

さらに、はなまるうどんの方から内々に聞いた話では、このエイプリル・フールのリアルタイム・マーケティングは、はなまるうどん全体の売上アップにも大きく寄与したと言います。その年の売上は5%ほど上がったそうで、こういった業態でそれだけ売上が上がることはめったにないこと。「まるごとダイオウイカ天」と売上アップとの間の因果関係はハッキリとは示せないものの、他に要因が考えられないのだそうです。 

リアルタイム・マーケティングの施策が上手くはまれば、ビジネス的にも大きなパワーを生む好例ですね。 

あなたも今年のイベントカレンダーを眺めてみて、リアルタイム・マーケティングにチャレンジしてみては、いかがでしょうか。 

さて、次回からは、今年も6月末に行われた広告/マーケティング界の一大イベント“カンヌライオンズ2015”について、ご紹介していきましょう。 


次回の「佐藤達郎のマーケティング論」は『今年も取材に行って来ました。“カンヌライオンズ2015”ご報告。その1』をお届けします。


佐藤達郎のマーケティング論 


[プロフィール] 
佐藤 達郎(さとう・たつろう) 
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。 

[記事提供] 

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