コーディアル人事労務オフィス

こんどは、リアルタイム・マーケティング! それって、いったい?:その2

15.06.28
ビジネス【マーケティング】
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2012年のスーパーボウルでのオレオのツイッター施策をきっかけに、にわかに注目集めるようになったリアルタイム・マーケティング。しかし、当初はアメリカでも懐疑的な意見が少なくありませんでした。オレオはたまたま上手くいっただけで、そうそういつも上手にやるのは難しいのではないか? といった意見もありました。 

また、ビジネスの進め方やひいては働き方まで変わるのではないか、という戸惑いもありました。広告関連イベントでは、リアルタイム・マーケティングを実施するのは働き方の面で正直しんどいという意見も(「オレオのせいで苦労させられるぜ!」と冗談めかして言うスピーカーもあり)出たりしていました。
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リアルタイム・マーケティングのスピード感は、従来の広告づくりの感覚からすると、まったくあり得ない速さです。その場で作って、その場でOKを取り、その場で披露する。今までの「1週間かけて考えて3日かけてOKを取る」といったスタイルでは、リアルタイム・マーケティングはできないのです。 

そうした戸惑いにもかかわらず、その後もリアルタイム・マーケティングは、アメリカの広告界で大きな注目を集めています。

昨年2014年ブラジルでのサッカーW杯では、ウルグアイ代表のスアレス選手がイタリア戦で噛みつき行為をしたときに、スニッカーズが「イタリア人(イタリア料理)より、満足できるよ」とのキャッチフレーズ付きの商品写真とともに、「次にお腹がすいたら、スニッカーズをひと噛みするといいよ」と、当のスアレス選手にも宛てる形でツイート。この事例は、日本にいた僕のところまでリアルタイムで伝わって来るほど、ヒットしました。 

また日本でも、日本コカ・コーラの「Happy Stadium」が話題となりました。 これは、ブラジルでのサッカーW杯試合中に、試合内容を反映した動画を作成し、Vineと呼ばれるソーシャルメディアで配信したものです。 

6月15日の日本対コートジボワール戦。ミニチュアのスタジアムが設置されていた動画撮影スタジオでは、スタッフが日本代表のゴールシーンを今か今かと待ち構えていました。

前半16分、本田圭祐選手が先制ゴールを放つと、すぐさま準備開始。ミニチュアのスタジアム上で、“選手に見立てたネームボトル”を使ってゴールシーンを再現。長友佑都選手からのパスから始まり、本田選手のトラップから、シュートの位置や角度まで見事に映像化しました。その場で撮影し、すぐにVine動画に仕立ててツイッターの日本コカ・コーラアカウントから投稿。その間わずか18分。

30万人あまりのフォロワーからは「早過ぎる」「まさか本当に今撮ってるの?」などの反応が次々と寄せられました。 

次回も引き続き、リアルタイム・マーケティングについて、ご紹介していきましょう。 

次回の「佐藤達郎のマーケティング論」は『こんどは、リアルタイム・マーケティング! それって、いったい?:その3』をお届けします。


佐藤達郎のマーケティング論 


[プロフィール] 
佐藤 達郎(さとう・たつろう) 
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。 

[記事提供] 

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