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コンテンツ・マーケティングって何だ? 動画コンテンツを中心に:その2

15.03.04
ビジネス【マーケティング】
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コンテンツ・マーケティング。
いま広告界・マーケティング界をにぎわしているこのキーワードについて、今回も引き続きご紹介していきたいと思います。

コンテンツ・マーケティングと従来の広告手法とのいちばんの違いは、こちらから押し付けるマーケティングではない、ということです。
従来の広告手法は、“見たい”という意思表示をしていない人に、こちらから送りつけるマーケティングでした。
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佐藤達郎のマーケティング論

テレビ番組を見たい人に対して、番組と番組の間にテレビCMをはさみ込むという形で送りつける。
新聞記事を読みたい人に対して、記事と記事の間に新聞広告をはさみ込むという形で送りつける。
それに対して、コンテンツ・マーケティングは、相手を引きつけるマーケティングです。

消費者が必要だと探しているときに、役に立つとか、注目したくなるとか、魅力的だとか、面白いとかいった情報がそこにあるという状態にすること。
コンテンツ・マーケティングと従来のマーケティング/広告を対比すると、「引きつけるVS押しつける」とか「プル型VSプッシュ型マーケティング」と言うことができるでしょう。

今回も、具体的な例を見てみましょう。
昨年11月末に公開されたNTTドコモのオンライン動画コンテンツ「3秒クッキング 爆速エビフライ」です。

この60秒の動画は、お料理番組風の仕立で始まります。
しかし、3分間ではなくわずか3秒。
出演者たちはゴーグルをつけ、さながら物理の実験のようなシーンが繰り広げられ、3秒でエビフライができ上がる特殊な装置の様子がスローモーションで描かれます。

最後のオチは、こうです。
「フルレーンで、爆発的速さ。フルLTE」
要は自社のネットワークの速さを伝える内容となっています。

この動画は爆発的な速さで広がり、現在までに1,250万回も視聴されています。
また、テレビ局もこういったオンライン動画の流行に注目し始め、朝のワイドショーでこの「3秒クッキング 爆速エビフライ」が紹介されているのを、私は実際に目にしました。
ここまで来ると、タダでマスメディアが取り上げてくれるわけで、広告主側からしたら、その広がり具合は大きな成果だと捉えられるでしょう。

大手広告主でもあるドコモが、こういった動画コンテンツを用いた狙いとしては、若者層に対して、トレンドとして先進的な面白いことをやるブランドと認知してほしい、ということがあったと考えられます。

この動画コンテンツは、YouTubeで「3秒クッキング 爆速エビフライ」で検索すればすぐに見つかるので、ぜひ見てみてください。

次回も、他の事例も紹介しながら、コンテンツ・マーケティング、そして動画コンテンツについて考えていきたいと思います。

次回の「佐藤達郎のマーケティング論」は『コンテンツ・マーケティングって何だ? 動画コンテンツを中心に:その3』をお届けします。


[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。

[記事提供]

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