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顧客離れにご用心!『ブランディング』の失敗例

24.06.11
ビジネス【マーケティング】
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『ブランディング』とは、自社独自の商品やサービスに対し、他社と差別化することで顧客や取引先、社会全体に認識してもらい、ブランド価値を高めることです。
これまで多くの企業がさまざまな取り組みを行なってきましたが、なかには間違ったブランディングによって、ブランド価値を下げてしまったケースもあります。
ブランドイメージの毀損は、風評被害やイメージの盗用といった外的要因だけではなく、企業がみずから行う内的要因で起きることもあるのです。
過去の失敗例から、正しいブランディングのあり方を考えます。
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イメージ刷新のリブランディングは慎重に!

すでに世の中に定着して、誰もが知っている認知度の高いブランドであっても、時代の変化や顧客のニーズに合わせて、ブランドイメージを変えなければいけないことがあります。
当時は斬新で革新的なブランドだったとしても、時間が経てば陳腐化は避けられませんし、顧客の価値観も変わる場合があります。
売上や求心力の落ちたブランドを再定義して、イメージを新たにする施策のことを『リブランディング』と呼びますが、実際に戦略として取り組む場合は、細心の注意が必要です。

たとえば、リブランディングの一環として、商品ロゴやパッケージの変更などを行う場合があります。
これまで慣れ親しんできたおなじみのアイコンが消えてしまったことで、消費者からは「商品が見つけづらい」「内容が直感的に伝わらない」「違和感がある」といった不満が出てくることも少なくありません。

アパレルブランドの『Gap』は、2010年にロゴを新しくしたことでユーザーから批判を受け、約1週間で元のロゴに戻しました。
清涼飲料水メーカーが販売していた『Tropicana(トロピカーナ)』も、2009年にパッケージデザインを大幅に変更したことで市場に出てから売上高が約20%も減少し、約2カ月で元のパッケージに戻したという過去があります。

リブランディングに取り組む際には、特にこれまで商品やサービスを支えてくれた『ファン』の存在を強く意識しなければいけません。
既存のブランドの何が愛されていて、何を変えなければいけないのかをよく考え、信頼を裏切らないような方法を模索していく必要があります。

イメージの『安売り』は顧客の信頼を裏切る

より多くの顧客に自社の商品やサービスを利用してもらうために、値段を下げたり、ラインアップを増やしたりといった施策を行うこともあります。
しかし、これらの施策は、大量生産とは一線を画した高価格帯のハイブランドの場合には、「希少価値」や「高品位」といったブランドイメージを毀損することになってしまい、顧客の信頼を裏切ることにつながりかねません。

既存のブランドで価値を築いてきた企業が、これまでとはまったく異なる分野に進出する場合も注意が必要です。
『ユニクロ』で有名なアパレル企業である『株式会社ファーストリテイリング』は、2002年に生鮮野菜の生産・販売事業である『SKIP』を始めましたが、この事業は20億円以上の赤字を出し、約1年半後に撤退してしまいました。

企業を成長させるためには、事業の拡大や新規市場の参入を図らなければいけないときもありますが、あまりに手を広げてしまうと、企業の目指しているものが曖昧になり、既存のブランド価値も下がってしまう危険があります。

不適切なブランディングや不祥事に注意

ブランディングに取り組み、商品やサービスのブランド価値を高める取り組みはもちろん必要ですが、行き過ぎたブランディングや不適切なブランディングにも最大限注意しなければいけません。
自社商品の強みやアドバンテージを打ち出す際も、過剰なPR活動を行なってしまうと、顧客に過大広告と受け取られてしまいます。
競合他社をあえて貶めるような比較広告は、他社との関係性や広告内容などを慎重に詰めていかないと、顧客に品格を疑われてしまうでしょう。

また、不祥事にも注意する必要があります。
食料品メーカーの異物混入や自動車メーカーのリコールなど、ブランドイメージを損なう不祥事はどの分野でも起きる可能性があります。
不祥事ではないものの、企業内における創業家と上層部の対立や派閥の分裂など、いわゆる『お家騒動』も消費者に悪印象を与え、ブランドイメージの毀損につながります。

ブランディングは自社の商品やサービスの認知を高め、購入や利用につなげるために必要不可欠なものであるがゆえに、数多くの成功例と失敗例が存在します。
成功例だけではなく、失敗例も参考にしながら、自社の商品やサービスのブランディングを進めていきましょう。


※本記事の記載内容は、2024年6月現在の法令・情報等に基づいています。