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介護現場の完全週休3日制! 導入の効果とポイントは

24.03.05
業種別【介護業】
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厚生労働省が『2022年雇用動向調査』に基づいて行なった分析によると、入職率から離職率を引いた『入職超過率』が、介護関連分野では、試算を始めた2017年以降、2020年まで1%程度のプラスで推移していたものが、2022年は初めて-1.6%というマイナスに転じたことがわかりました。
実数でいうと、約6万3,000人の介護就労者が減少したことになります。
介護を必要とする高齢者は年々増加しているため、今後はより効果的な人材確保対策に取り組む必要があります。
そこで今回は、その方法の一つである『週休3日制』の導入ポイントについて説明します。
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『週休3日制』導入事業所の増加

介護職が過酷だといわれる理由はいくつかありますが、特に深刻なのが、慢性的な人手不足による「休みの取りづらさ」だといえます。
人の命に関わる仕事として心身ともに疲弊するにもかかわらず、まともに休日を取ることができないと、働く人のやる気や集中力が欠けてしまい、サービスの質が下がります。
また、プライベートの時間を確保できない状況は、介護スタッフの不満を増やすことにつながるでしょう。

そこで、ここ数年の人材確保対策として増加している新たな試みが、週休3日制の導入です。
週休3日制とは、1週間に3日の休暇を設ける制度で、土日を含む必要はなく、平日3日間の休みでも週休3日制となります。

週休3日制は、政府の『骨太の方針2021』において多様な働き方の実現に向けた働き方改革の実践として普及を図ることが盛り込まれたもので、一般企業では導入件数が増えてきていました。
その一方で、週休3日制導入により労務管理の複雑化や業務の停滞等への懸念により、導入に踏み出せない介護事業所が多かったのも事実です。
しかし、近年では、介護業界離れ対策の一環として週休3日制を導入する介護事業所が徐々に増加しており、求人サイトを見ても週休3日制を導入する事業所が増えていることがわかっています。

週休3日制のメリットとデメリット

週休3日制の導入によるメリットとしては、前述のように休日数が増加するためスタッフのプライベートな時間が増え、満足度が向上することで離職率の低下につながることなどがあげられます。
休日が多いことは求人でのアピールポイントになり、採用時にも有利に働くでしょう。
また、休日がきちんと確保されるということは、限られた時間内での働き方となるため、業務の細分化や、見える化がしやすくなり、業務生産性の向上も期待できます。

一方、週休3日制導入によるデメリットとして考えられるのが、労務管理の煩雑化です。
施設や事業所の稼働日数を変えずに、スタッフの休日を増やすということは、スタッフのシフト割、日勤と夜勤の調整などで不備が出ないように管理しなければいけません。
労働時間管理や給与計算においても、整理が必要となります。

また、業務の引継ぎや連絡体制をしっかり構築しておかないと、スタッフ間のコミュニケーション不足によるトラブルが起きたり、サービスの質の低下や現場業務の停滞などが起きたりする可能性があります。
業務班ごとにリーダーを設置し、管理できる人材を増やす必要があるでしょう。

いざ導入する際のポイントは?

では、週休3日制を導入するには、具体的にどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
そこで重要になるのが、ルール作りです。

まずは導入する目的や意図を明確にして、スタッフに示します。
目的や意図を理解しないまま導入すると、業務に対する意識が統一されなくなり、現場で混乱を生じる可能性があります。
そして就業規則等でルールを定めると共に、現場での仕事を細分化して各々のマニュアルを作成することも大切です。
ルールを明確にすることで業務へのスムーズな取り組みが可能となり、休日を増やしても現場に影響を及ぼさないオペレーションを実行できるでしょう。
また、スタッフ間のコミュニケーション不足への対応は、業務をICT化することで改善できるかもしれません。
利用者へのサービス状況や体調管理、スタッフ間の業務引継などをICT化によって情報共有すれば、短時間での意思疎通が可能になります。

週休3日制が現場になじむまでは、試行錯誤を繰り返し、時間がかかることも予想されます。
業務の量や内容、そこに必要なスタッフの数などを洗い出し、日々の業務を円滑に行うための手段として、週休3日制の導入に踏み込んでみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2024年3月現在の法令・情報等に基づいています。