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介護事業所に『業務改善』が求められる理由と改善のメリットとは

24.02.06
業種別【介護業】
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介護業界は人材不足が深刻な状況にあり、現場で働く介護スタッフの負担はますます増加しています。
しかし、利用者の生命を預かる場所である介護現場において、人材不足であったとしても常に介護サービスの質を維持し、向上を図らなければなりません。
このような状況下で、利用者や家族が安心できる介護サービスを提供するためには、介護事業所における定期的な業務改善と業務効率化が必要不可欠となります。
そこで今回は、介護事業所に業務改善が求められる理由と、業務改善を進めるメリットについて解説します。
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なぜ介護事業所に業務改善が必要?

日本の総人口は年々減少傾向にあり、2050年には総人口が9,515万人まで減少し、65歳以上の高齢化率は39.6%の水準になると推計されています。

このような超高齢化社会の進展とともに、介護業界に対するニーズはさらに高まっています。
厚生労働省老健局が2022年に発表した『介護保険制度をめぐる最近の動向について』によると、介護保険制度が創設された2000年と2021年を比較した結果報告では、65歳以上被保険者数は約1.7倍の増加、要介護認定者は約3.1倍の増加、そしてサービス利用者数は約3.4倍に増加したことがわかりました。
これは、高齢者の生活のなかで介護保険制度が定着し、発展を遂げていることを象徴しています。

しかし、このような介護サービスに対する需要の増加に対応できるほど、介護職員は増えていないのが現状です。
もし、介護サービスに対する需要がこのままのペースで推移した場合、都道府県が推計した介護職員の必要数としては2025年に約243万人、2040年には約280万人の介護職員が必要になるとされています。
また、2019年から順次施行されている働き方改革により、今後はさらに生産性・効率性を向上させ、労働時間を削減することが必要となるでしょう。

このような状況下において介護現場で働くスタッフの定着を図り、より働きやすい職場環境を整備するためには、効率よく働ける仕組みを構築するための「業務改善」が重要です。

介護事業所の業務改善のメリットとは?

介護事業所で実施する業務改善には、どのようなメリットがあるのでしょうか。たとえば、以下のような効果が考えられます。

●介護スタッフのモチベーションアップによる離職率低下と雇用定着化
業務改善における大きな目的の一つは、介護スタッフが『働きやすい職場環境』を目指して整備することです。
業務の効率化を図ることで時間外労働や深夜労働などを削減すれば、介護スタッフにとってのワークライフバランスの実現も可能となります。勤務以外で自分の時間を確保できることで、介護スタッフのモチベーションも向上しやすくなるでしょう。
介護スタッフの離職率が高い原因は、人材不足により負担が増加し、休憩や休日が満足に取れないことにあります。休みをきちんと取らせることが、離職率を低下させ、雇用を安定させることにつながります。

●スタッフ間のコミュニケーションが図れる
介護事業所でトラブルになる原因の一つが、『人間関係の悩み』です。
たとえば、「管理者や上司からのパワハラ」や「利用者との関わり方」などさまざまな悩みがありますが、これらの問題の多くは、スタッフ間のコミュニケーション不足や連携体制が機能していないことから発生しています。
不安や心配事も相談できるミーティングを定期的に設けることでスタッフ間のコミュニケーションを活性化したり、業務フローを見直して日頃の「ムリ・ムダ・ムラ」を明確にしたりすることで、トラブルの種を減らすことができるでしょう。

●スタッフと利用者の満足度の向上
業務効率化が進み、介護スタッフのモチベーションが向上すると、さらに質のよいサービスを提供できるようになります。スタッフが時間的にも精神的にも余裕を持てるようになるため、利用者一人ひとりに合わせた対応や、サービスの提供が可能になります。それは、利用者の満足度の向上にもつながります。

●介護事業所経営の安定化につながる
介護スタッフと利用者の満足度の向上と、多忙ながらも無駄のない動きを目指した業務の円滑化は、経営の安定化につながります。経営が安定すれば、よりよいサービスの実現に向けた設備投資や人材への投資が行いやすくなり、好循環を保つことができます。

このように業務改善は、介護スタッフ、利用者、経営というすべてにメリットがあるといえます。
まずはすべての業務にかかる時間や人員を洗い出し、介護スタッフから不満や不安、要望を聞き出すことなどから始めてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2024年2月現在の法令・情報等に基づいています。