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建設業の倒産件数が増加中! 会社を潰さないためのポイント

23.09.05
業種別【建設業】
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2022年を境に建設業者の倒産件数が増加しており、今後もその傾向は続いていくとみられています。
建設業は工事にかかる1件あたりの費用が高額になりやすく、人件費や材料費などの先払い費用が頻繁に発生するなど、資金繰りに問題が起きやすい仕組みになっています。
さらに、資材の高騰や人手不足が重なり、やむを得ず事業を畳まなくてはならないケースが相次いでいます。
特に中小企業や小規模の建設事業者に向けて、倒産を避けるために押さえておきたいポイントを解説します。
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注意すべき、建設業ならではの黒字倒産

中小企業庁がとりまとめている『倒産の状況』では、2021年に1,065件だった建設業者の倒産件数は、2022年には1,194件にまで増え、2023年はほぼ毎月100件以上のペースで増加し続けています。
コロナ禍においては、住環境のニーズの変化や受注工事の減少、納期の遅れなどの影響があったものの、政府による融資・資本増強によって、倒産件数は抑えられていました。
しかし、ロシア・ウクライナ戦争やウッドショックなどの影響による建築資材の高騰に加え、常態的な人手不足や従事者の高齢化なども重なり、中小企業や小規模事業者は、コロナ禍を乗り切った今もなお苦しい状況に追い込まれているのが現状です。

総務省・経済産業省発表の『平成24年経済センサス―活動調査』によると、建設業は96%近くが小規模事業者で、中小企業が4%、大企業はわずか0.1%ほどとなっています。
多くの事業者が下請け企業や孫請企業という状況のなか、利幅の薄い工事でも受けざるを得ず、赤字になりやすいという構造的な問題があります。
また、工事を受注してから入金されるまでの期間が長期化しやすいのも建設業の特徴で、平均して工事完了後の1~3カ月後に入金されるのが一般的です。
当然、工期が長くなればなるほど、入金のタイミングは遅くなります。

その一方で、自社で抱えている職人や従業員への支払いは同月内に、材料費や外部の業者への支払いは翌月内に行うのが基本とされており、入金のない状態での先行出費がかさむことになります。
大規模工事になれば、それだけ職人や外注事業者の数は増え、天候によるスケジュールの遅延などによって、外注費や人件費なども増えていきます。
また、建設業は手形取引も多く、入金までに資金がショートしてしまうケースも少なくありません。

取引先の経営状態によっては予定通りに入金が行われない場合もあり、利益が出ているにも関わらず、支払いに必要な資金が足りず倒産してしまう、いわゆる『黒字倒産』が多いのも建設業の特徴です。

資金繰りを改善するために必要なこと

建設業者が資金繰りを改善するためにはどうすればよいのでしょうか。

一つは、支払いが先行する工事ではなく、先に契約金などが支払われ、外注費などの支払いを後回しにできるタイプの工事を多く受注することです。
特に、大規模工事であればあるほど先行出費が多くなるため、材料費や外注費などの原価だけでも前金で支払ってもらえるようにするとよいでしょう。
交渉によっては、たとえば前金として半分の額を支払ってもらい、工事完了後に残りを支払ってもらうという契約が結べるかもしれません。

元請先からの前払いがむずかしい場合でも、代金を回収できるサイクルが早い工事を優先的に受けるなどの方法も考えられます。
工事完了後の3カ月後に入金がある工事よりも、1カ月後に入金のある工事のほうを受注することで、黒字倒産のリスクを抑えることができます。
また、近年は工事の進捗によって段階的に入金される契約も増えています。まずは元請先に交渉してみましょう。

資金繰りが厳しい事業者のなかには、前の工事の入金を次の先行出費に充てる、いわゆる自転車操業のところも少なくありません。
こうした事業者は、特に工事ごとの資金繰りの計画表を作成して入出金管理をしておかないと、思わぬところで資金がショートして支払いが滞ってしまう危険があります。
いつ入金があり、どこで支払いが必要になるのかをしっかり把握し、資金不足に陥らないようにしましょう。

建設業界の構造的に、どうしても先行出費や立替金は発生してしまいます。
余裕を持った資金繰りの計画を立てるのはもちろんですが、銀行や日本政策金融公庫などからの融資を活用するなどして、資金繰りの改善を進めていくことが大切です。


※本記事の記載内容は、2023年9月現在の法令・情報等に基づいています。