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空き地で焚き火も犯罪行為!? 『軽犯罪法』で逮捕されることはある?

23.05.30
ビジネス【法律豆知識】
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趣味で購入したサバイバルナイフを持ち歩いてしまったり、空き地で焚き火をしてしまったりしたことはないでしょうか。
実は、これらの行為は軽犯罪法に抵触する可能性があります。
軽犯罪法とは、社会の秩序を乱すおそれがある、日常生活に身近で不道徳な比較的軽い犯罪行為を取り締まるための法律で、場合によっては逮捕・起訴され、有罪が確定すると前科がついてしまいます。
軽犯罪とはいえ犯罪行為には変わりなく、会社員であれば懲戒処分を受けるかもしれません。
違反者にならないためにも、軽犯罪法について理解を深めておきましょう。
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日常生活に潜む軽犯罪法違反に該当する行為

軽犯罪法の対象になるのは、全部で33種類の行為で、どれもが『軽微な犯罪』とされています。
なかには日常生活を送るうえでうっかり行ってしまいがちな行為も含まれています。

警察庁が公表している犯罪統計書の『令和2年の犯罪』によると、2020年の軽犯罪法違反者の総検挙数は9,123件でした。
このうち、最も検挙件数が多かったのが、3,319件の『凶器携帯の罪』です。
凶器携帯の罪は、正当な理由なく刃物などの凶器を隠して携帯する行為のことです。
たとえば、護身用としてツールナイフをポケットなどに入れて持ち歩いていると、軽犯罪法違反になる可能性があります。
正当な理由とは、業務に使用する場合や、店で刃物を購入して帰宅する場合などを指し、護身用は正当な理由には当たりません。
また、ナイフだけではなく、鉄パイプや防犯スプレー、スタンガンなど、人の命や体に危害を加えることのできる道具も正当な理由のないまま携帯してはならないことになっています。

凶器携帯の罪の次に検挙数が多かったのは、立入禁止の場所に入ることを禁じた『田畑等侵入の罪』で、検挙数は2,211件でした。
学校やマンションなど、『関係者以外立ち入り禁止』と掲げられている場所に立ち入ると、この罪に問われます。

このほか検挙数が多かったものは、火災の起きやすい場所での焚き火などの火気使用を禁じる『火気乱用の罪』、街中や公園での立ち小便を禁じる『排せつ等の罪』、他人の進路に立ちふさがったり、つきまとったりすることを禁じる『追随等の罪』などです。

また、のぞき行為を禁じる『窃視の罪』や、公衆の場で裸になることを禁じた『身体露出の罪』なども100件以上の検挙数がありました。
これらは各都道府県の迷惑防止条例や、刑法の公然わいせつ罪に問われる可能性もあります。

一方で、軽犯罪法の対象になっている33種類の行為のなかには、検挙数が0件だったものもあります。
たとえば、軽犯罪法では『行列割込み等の罪』として、威圧しながら行列に割り込む行為を禁じていますが、2020年に検挙された人はいませんでした。


軽犯罪法違反で検挙されるとどうなる?

もし、軽犯罪法に違反すると、どうなるのでしょうか。
まず、通常であれば、すぐに逮捕される可能性はほとんどありません。
軽犯罪は刑事訴訟法では『軽微犯罪』とされ、住居や氏名が明らかではない場合や、逃亡するおそれがある場合にしか現行犯逮捕できないことになっています(刑事訴訟法第217条)。
また、通常逮捕についても、住居不定の場合や、警察の出頭の求めに応じない場合にしか、できないことになっています(刑事訴訟法199条1項但書)。
つまり、身元が明らかで素直に出頭に応じるのであれば、いきなり逮捕はされません。
逆に、身元を明かさないまま警察に非協力的な態度を取り、さらに逃亡の恐れがあると判断されたときは、その場で現行犯逮捕されるケースもあります。

しかし、逮捕されなかったとしても、取り調べは受けることになります。
警察の取り調べが終わると、今度は検察が起訴するかどうかを決めます。
もし検察に起訴されて刑事裁判になり、有罪が確定すると、場合によっては拘留や科料の一方または双方が科せられることがあります。
軽犯罪法違反による拘留は1日以上30日未満の期間、科料は1,000円以上1万円未満と定められており、有罪になってもケースによっては刑罰が科されず、免除される場合もあります。

ただし、刑罰が科されなかったとしても、有罪になれば前科がついてしまいます。
前科がついてしまうと、会社員であれば会社の就業規則に則り、懲戒処分を受けるかもしれません。
前科がついたことが周知されてしまった場合、周囲との人間関係も、これまで通りにはいかない可能性があるでしょう。

知らぬ間に軽犯罪行為を行ってしまい、検挙されてしまうことのないよう、日ごろから注意して生活することが大切です。
それでも万が一、検挙されてしまったら、軽犯罪法違反で不起訴とするためには専門家の力を借りたほうがよい場合もあります。
まずは検挙された段階で弁護士に相談することをおすすめします。


※本記事の記載内容は、2023年5月現在の法令・情報等に基づいています。