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社員の能力を適正に評価! “職群”で区分する人事制度のメリット

22.07.12
ビジネス【人的資源】
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『職群 』 とは、その企業や団体のなかで、職務内容など、一定の基準でする従業員の区分けのことです。ある程度の規模の企業は人事設計のために導入しているケースが多いでしょう。
たと えば事務職の社員と営業職の社員では、携わる業務も作業内容も、キャリアパスも大きく異なります。
職務内容の異なる従業員を、それぞれ公平で適正に評価するためには、すべての従業員を画一的に評価するのではなく、職群ごとに評価基準を設け、それぞれに人事制度を設計することが重要です。
今回は、従業員の適正な評価や、キャリア構築支援に役立つ職群制度について解説します。
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職種ごとにマッチした制度設計がポイント

職群を設けることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
職群ごとに昇給や昇格などの評価基準を定めると、すべての従業員を同じ基準で評価するよりも、平等感のある評価が可能です。
もし、職種ごとに業務内容が異なるにも関わらず、すべての従業員を同じ基準で評価してしまうと、不公平感が生じて、結果的に従業員の勤労意欲を下げることにもなりかねません。
さまざまな職種の従業員を大勢抱えている企業であれば、特に各職種に対する評価基準や、期待する役割などを定義づけし、それに沿った評価制度を用意する必要があるでしょう。

では、どのような分け方ができるでしょうか?
よくある区分としては、いわゆる『総合職』と『一般職』で分類する方法があげられます。
企業のなかでは、総合職は会社の業務の中核を担うポジションで、一般職は総合職のサポートを担うポジションに区分けされることがあります。

総合職は、基本的には部署間の異動を前提としており、転勤が発生しやすいという特徴があります。
会社側には、さまざまな部署で経験を積ませることで、将来的には管理職や幹部候補に育成するという狙いがあります。

一方、一般職は総合職のサポート業務や定型業務が中心となり、業務も限定的になるため、異動や転勤などはほとんどありません
したがってライフスタイルの変化に対応しやすいというメリットもあり、これまで日本の企業では、主に女性が一般職で多く採用されていました。
ただし、一般的に女性が多いからといって、企業側が女性のみに絞って一般職の求人を出したり、男性に限定した総合職の採用活動を行ったりすることは、『男女雇用機会均等法』に違反することになります。

総合職と一般職では、業務範囲や業務内容の違いから、総合職のほうがジョブローテーションが多く、給与も高くなる傾向があります。
一方、一般職は、書類作成や接客対応など、会社の運営には欠かせない業務を担うことが多く、昇給のカーブもなだらかな傾向になるようです。

もし、総合職と一般職に分けて人事評価を行う場合は、一般的な価値観と実際の業務内容をすり合わせたうえで、従業員が納得できる内容にすることが大切です。


職群転換制度のメリット

一方、世間的な職業観の変化により、総合職・一般職という区分を使用せず、営業や事務などの職域でグループ分けする企業も増えつつあります。

たとえば、営業職は営業活動が業務のメインになり、商品の販売や市場の開拓などを担当します。
技術職は理系や工学系の知識を活かした開発などの業務を担うポジションで、ITエンジニアなども含まれます。
事務職は、部署でいえば人事部や経理部、総務部や法務部などが該当し、社内の事務業務全般を担当します。

もちろん、営業がメインの会社では技術職という職域を設けていなかったり、代わりに『専門的な知識のある職種』と定義して専門職を設定していたりと、区分のしかたもさまざまです。
また、製造業を営む会社では、現場のポジションとして技能職という職域を設定しているところも少なくありません。
職種の区分は、それぞれでよいでしょう。

ところで、職群を設定している企業では、従業員の希望する職種・働き方によりそっていくため、『職群転換制度』を設けているところもあります。
営業職だった社員が技術職に移ったり、技術職だった社員が事務職に移ったりするなど、最初に選択した職群から、別の職群に転換することができる制度です。

職群転換制度を取り入れることで、社内の活性化や従業員のキャリアアップ推進を図ることもできるでしょう。
もし、従業員から職群を移りたいという声があるのであれば、職群転換制度の導入を考えてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2022年7月現在の法令・情報等に基づいています。