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相続登記の際に原本還付を! 押さえるべき方法とポイント

22.01.05
業種別【不動産業(登記)】
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不動産の相続登記をする際には、住民票や戸籍謄本などの書類を添付し、法務局に提出しなければいけません。
これらの書類は、被相続人の預金口座の手続きなどにも使用するため、法務局から原本を返してもらう必要があります。
これを『原本還付』といい、登記の申請の際に請求すれば、あとで返還してもらうことが可能です。

今回は、法務局に提出した書類を返却してもらうための原本還付の申請について紹介します。
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相続登記の際に原本還付の申請を

土地の所有者が亡くなった際に、所有者の残した遺言書や、遺産分割協議でその土地の相続人が決まります。
その際、相続人は相続する土地の所有権を移転する不動産登記を行います。
相続登記をしないと、土地が活用できなくなったり、権利関係が煩雑になったりする恐れがあるため、相続が決まったらできるだけ早く登記することをおすすめします。

現状では、不動産を登記する義務も期限もありませんが、令和3年改正民法、不動産登記法等によって公布の日(2021年4月28日)から起算して「3年」を超えない範囲内において政令が定める日以降(正式な施行日はまだ決まっていませんが、国民への影響を考えると、新年度がスタートする2024年4月1日になる可能性が高いです)、正当な理由がないのに、不動産の相続を知ってから3年以内に相続登記の申請をしないと、10万円以下の罰金が科せられるので注意しましょう。

ケースにもよりますが、不動産相続の登記を行うには、亡くなった被相続人の戸籍謄本や住民票の除票、相続人の戸籍謄本や住民票、固定資産評価証明書などを用意しなければいけません。
これらの書類は、別の場所にある土地の相続手続きや、預金口座の相続手続きにも使えるので、原本還付で書類の原本を返却してもらうのがおすすめです。

次に、原本還付の手続きについて、順を追って説明します。
まず、申請を行うには、返却してもらいたい書類を全て原寸大でコピーし、1ページ目の余白部分に『原本と相違ありません』と記載します。
そして申請人の記名押印を行い、書類が複数枚ある場合には、全てのページの継目に割印をします。
これを、原本と併せて提出することで、登記が完了すると同時に、原本を返却してもらえます。
おおよそ申請してから登記完了まで1~2週間かかるので、原本返却まで1~2週間かかります。
別の手続きに必要な場合は、余裕を持ったスケジュールで申請しましょう。

原本は、法務局の窓口で受け取れるほか、郵送で自宅に送ってもらうことも可能です。
その場合は、「送付の方法により原本還付書類の返却を希望する」と記載し、切手を貼り付けた返信用の封筒を添付しておきましょう。


原本還付ができない書類とは?

戸籍謄本や住民票など、相続登記に必要な書類は、それぞれ交付料がかかります。
毎回、書類を交付してもらっていては、費用もかさみますし、手間もかかります。
費用や手間を省くためにも、原本還付はぜひとも活用したい制度です。
また、遺産分割協議書は、後々、相続人同士のトラブルが発生した際に必要な証拠書類にもなるので、原本還付で手元に残しておくことをおすすめします。

一方で、遺産分割協議書に押印した印鑑の印鑑証明書や、上申書に押印した印鑑の印鑑証明書は、制限がないため、原本還付をすることができます。

また、司法書士などに登記を依頼した際の委任状なども原本還付の対象にはなりません
原則的に、登記にのみ使用する場合の委任状は原本還付できないことになっていますが、ほかの手続きについても引き続き委任を依頼している場合は、委任状の原本還付が可能です。
『登記以外にも使用する書類は原本還付することができる』というのが基本的な考え方です。

前述した通り、原本還付には書類のコピーを提出する必要がありますが、被相続人と相続人の続柄や生年月日、死亡年月日が書かれた『相続関係説明図』を提出することで、戸籍謄本と除籍謄本、改製原戸籍謄本については、コピーを提出しなくても原本を返却してもらえます。

不動産の相続登記にはさまざまな書類が必要で、時間や手間がかかります。
原本還付を活用して、手続きにかかる費用や負担を少しでも減らしていきましょう。


※本記事の記載内容は、2022年1月現在の法令・情報等に基づいています。