コーディアル人事労務オフィス

多くの利益を生み出すための『プライシング』の重要性

21.11.22
ビジネス【マーケティング】
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新しい商品やサービスを販売する際、必ず決めなければならないのが『価格』です。
一般的には、商品の製造コストに一定の利益率を上乗せしたものを販売価格としますが、それだけでは十分とはいえません。
商品のターゲットや、競合他社の販売価格、市場のニーズなどを加味しながら、適切な価格に設定する必要があります。
これを『価格戦略』、『プライシング』と呼び、市場において成功できるかを決めるカギとなります。
今回は、売り上げ目標を達成し、より多くの利益を得るための『価格設定のコツ』について解説します。
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基本の『コストプラスプライシング』

価格は、商品の売れ行きを左右する重要なファクターの一つです。
しかし、個人商店から大手企業まで、自社製品の値付けを勘や経験値で行っている企業が意外と多いのが現状です。
不適切な価格で商品を販売した結果、成果に結びつかず、撤退を余儀なくされるケースは少なくありません。

そこで必要になるのが、戦略的な価格設定、プライシングです。
市場が複雑化する前の時代には、コストに利益率を上乗せしたものを単純に価格とする企業が一般的でした。
しかし昨今はユーザーの細分化や嗜好の多様化により、幅広い要素を考慮しながら複合的に決めるのが常識になりつつあります。

戦略的に価格を設定することで商品の売上を最大化できたり、シェア拡大やユーザー確保に繋がる可能性があります。
価格一つでプロジェクトの成否が決まることもありますし、企業のブランディングや継続的な発展を考えるうえでも、長期的かつ広い視野による価格設定は重要です。
プライシングは企業の命運を分ける要素の一つであり、企業は、日々のリサーチやデータをもとに、柔軟に価格設定をしていくことが大切です。

価格は基本的に、商品の製造コスト(原価)に一定の利幅を加えて算出します。
これを『コストプラスプライシング』や『原価加算方式』と呼びます。
この方式は、利潤を求めて高額な値付けを行うこともできますし、赤字にならない収支のギリギリまで価格を下げることも可能です。
しかし、どのくらいの利益を出せるかは担当者の皮算用に過ぎず、コストプラスプライシングだけで適正な値段を算出することはできません。
ベースとなるコストプラスプライシングにさまざまな要因を加えることで、売上を最大化する商品価格に近づけることができます。


価格設定をする際に重要な要素とは?

価格を設定する際に考慮すべき要素としては、上にあげたコスト面のほか、『ターゲット』『競合商品』『市場ニーズ』があげられます。

たとえば、同じ商品でもターゲットによって価格は変わります。
裕福な高齢者層に向けたものであれば多少高額に、学生など、金銭的に余裕のない若年層をターゲットにした日用品であれば、価格は低めに設定するのが一般的でしょう。
ほかにも、職業や販売エリアなどを加味し、ターゲット層に一番受け入れられやすい価格帯を吟味する必要があります。

また、競合する商品を意識することも、価格を設定するうえで外せない要因の一つです。
たとえば、プライシングの手法として競合する商品よりも低い価格を設定し、販売初期に市場シェアを拡大する『ペネトレーションプライシング』や『市場浸透価格戦略』があります。

これらの手法を選び、低価格でシェアを獲得した後は、主に2つの選択肢があります。
さらなるシェア拡大のために低価格を維持するか、利益率を上げるために値上げをするか、のどちらかです。

一方、『スキミングプライシング』といって、高めの価格設定で市場に参入する戦略もあります。
この方法は、序盤から高価格で商品を販売し、商品の価値を認識してもらうと共に、高額でも購入してくれる良質なユーザー層の獲得を目指す戦略です。
早期の資金回収を目的としている場合、この手法を選ぶケースが多いといえます。

たとえば、まだ市場が育っていなくて競合がない時に、高値で売ってブランドを認知してもらう、競合他社が参入してきたら価格を下げるといったように、市場競争が始まるまでの期間に開発コストを回収するのです。

このように、価格設定は近年、複雑な要素を加味したうえで行うものになっています。
日頃から市場やユーザー、競合他社の動きを注視して、新商品やサービスに適した価格を設定できるよう準備しておきましょう。


※本記事の記載内容は、2021年11月現在の法令・情報等に基づいています。