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わが社に合うものはどれ? 人事評価制度のベースとなる『評価基準』とは

21.02.22
ビジネス【人的資源】
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一定の期間ごとに社員の働きや成果を査定し、昇給や昇格などに反映する『人事評価制度』は、現在、多くの会社で導入されています。
人事評価は、従業員の働きぶりを評価する以外にも、自社の目標や方針を示したり、人材配置の参考にしたりと、さまざまな目的のために活用することができます。
ただ、ひと口に人事評価制度といっても、さまざまな評価基準があります。
目的に合った基準を設定するためにも、人事評価制度に関する評価基準の種類について、押さえておきましょう。
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人事評価制度の役割と重要性

人事評価制度の一番の目的は、従業員の能力や働きぶりを把握することです。
人事評価の結果を、その社員の給与や役職に反映していくことは、人事担当の重要な仕事の一つです。
従業員にとっても、昇給額や賞与額はもちろん、昇進を左右する査定結果は、非常に重みのあるものです。
人事評価はまさに人事に関連する業務の根幹をなしているといえるでしょう。

また、人事評価制度は、従業員個々の適性を把握し、最適な部署へと異動させるためにも不可欠なものです。
転勤や異動などを伴う人材配置にも、人事評価の結果は影響を与えますし、ほかにも、退職金の査定や人材育成などの場でも活用されています。

この人事評価制度には、評価の基準によってさまざまな種類があり、社風や企業理念に沿った制度を導入しないと、機能不全を起こしてしまう可能性もあります。
そうならないためにも、人事評価制度の種類をしっかり把握しておくことが大切です。


評価をするための5つの基準

人事評価制度は、評価基準によって性質が異なり、『業績評価』『行動評価』『能力評価』『情意評価』『360度評価』の5種類が一般的とされています。

【業績評価】
社員それぞれに課せられている仕事を達成できているかどうかで判断する評価基準です。
別名、『目標管理制度』とも呼ばれるこの基準は、社員個々の目標を設定することによって、仕事に対するモチベーションや自己管理能力の向上など、副次的な効果も期待することができます。

【行動評価】
仕事の成果だけではなく、そこに至るまでのプロセスを評価の対象にしたものです。
行動評価では、その結果を出すまでに、どのような準備をして、行動したのかをチェックします。
たとえば、部長や課長、工場長など、各チームのリーダーは、チーム全体の業績の責任を負わなければなりませんが、チームのメンバー一人ひとりが目標を達成できるかどうかは、リーダーの努力だけではどうにもなりません。
このように個人の目標を設定しづらいリーダーなどのポジションについては、その評価を業績評価だけで行うと正当な評価がされない恐れがありますから、リーダーとしてどう行動したかを問う行動評価が適切です。

【能力評価】
社員が持っている仕事上のスキルや能力をどのくらい発揮できているかどうかで判断する評価基準です。
あくまで能力を『発揮できたかどうか』で評価するべきで、能力を持っていても、仕事で発揮できていない場合は評価の対象にしません。

【情意評価】
従業員の仕事に対する態度や意欲で判断する評価基準で、別名『態度評価』ともいいます。
遅刻などをせずに会社のルールを守っているか(規律性)や、能動的に仕事と向き合えているか(積極性)、コミュニケーションをとれているか(協調性)などを加味して評価します。
ただし、情意評価には、評価を付ける側の人間の主観が入りやすく、思い込みから間違った評価をしてしまうリスクもあります。
人事評価制度として、情意評価を基準にする場合は、評価シートを作成したり、複数人で客観的に判断したりといった工夫が必要になるでしょう。

【360度評価】
人事部だけではなく、その社員の上司や同僚、部下、さらには取引相手などにヒアリングして、多面的な判断をする評価基準です。
その人のさまざまな面を測れるというメリットはありますが、やはり主観が入ってしまう危険性や、社員同士で評価が甘くなってしまう可能性などもあります。

企業によっては、これらの評価を組み合わせて使用したり、これらを発展させて独自の評価基準を作成していたりするケースも多々あります。
どの評価基準が一番自社に適しているのかを考え、社内でも相談したうえで、人事評価制度を導入していきましょう。


※本記事の記載内容は、2021年2月現在の法令・情報等に基づいています。