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今こそ必要! 見込み客を育成する『リードナーチャリング』

20.10.13
ビジネス【マーケティング】
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『リードナーチャリング』とは、見込み客を育成し、顧客にして売り上げにつなげるマーケティング手法のことです。
これまで、多くの企業は新規の顧客を獲得するためのマーケティングに注力していました。
しかし、買い手側の得る情報量の増加や、購買行動の変化などから、商品を購入してくれる可能性のある“見込み客”にアプローチする必要性が出てきました。
そこで今回は、見込み客に対して継続して情報を発信し、中長期的によい関係を築くことを目的とした『リードナーチャリング』という概念と、具体的な方法について説明します。
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購買環境に沿ったリードナーチャリングとは

リードナーチャリングは2004年頃にアメリカで生まれた概念で、2010年前後に日本にも伝えられました。
今もなお、マーケティングにおいては重要な考え方の一つとされています。
リードナーチャリングという言葉の由来は、見込み客を意味する『リード(Lead)』と、育成を意味する『ナーチャリング(Nurturing)』という単語を組み合わせた造語で、日本語ではそのまま『見込み客の育成』と訳されています。

見込み客とは、自社の商品やサービスに関心があり、購入の可能性を持っている顧客のことで、自社の商品やサービスを知らない潜在顧客とは分けて考えます。
この見込み客に対して継続したさまざまなアプローチを行うことで、顧客の購買意欲を高めていき、商品やサービスの購入に結実させることをリードナーチャリングといいます。

さて、なぜ今、マーケティングにおいてリードナーチャリングが重要視されるようになってきたのでしょうか。
その要因の一つに、購買環境の変化があります。

これまでは、BtoBの商談であれば、顧客は担当者から説明を受けて、その内容を理解し、商品を発注するというのが一般的でした。
しかし、インターネットの普及に伴い、外部から情報を得やすくなった結果、判断材料が増え、購買の意志決定までに時間を要するようになりました。
顧客は、他社商品と比較したり、口コミで評判を調べたりといったことができるようになり、対面の説明だけで即決することが少なくなりました。
顧客が購入を決めるまでの期間が長くなると、販売する側は購入に導く機会を損失することも多くなります。
つまり、単純に新規顧客を増やすだけのマーケティングでは、立ち行かなくなってきたという現状があるのです。

そこで、こちらから能動的に有益な情報を送り続け、見込み客とじっくりと付き合い、優良顧客へと育てるリードナーチャリングという方法が注目されはじめました。
中長期的に見込み客をフォローし続けることで、購入につなげる機会を増やそうというわけです。


顧客ごとに異なるさまざまなアプローチ法

具体的なリードナーチャリングの手法としては、メール、SNS、オウンドメディア、セミナーなどによるアプローチがあげられます。
これらを駆使して、見込み客を育成していきます。

たとえばメールによるメルマガ配信は、定期的に見込み客に新商品やサービス、セミナー開催の情報、業界のニュースなど、有益な情報を送ることができるため、見込み客とのつながりをつくりやすく、リードナーチャリングの基本といわれています。

メルマガ以外にも、リストのなかから年齢や性別などの条件ごとに分類し、ある特定の商品に興味を持っている見込み客に対してのみメールを送る『セグメントメール』や、会員登録や購入など顧客の行動段階に合わせ、断続的に情報を送る『ステップメール』なども、リードナーチャリングにおける有効な手段といえます。

また、SNSを使って見込み客に対して商品の認知度を向上させたり、ブログなどのオウンドメディアに、より多くの情報を得たいと考えている見込み客を誘導したりと、方法はさまざまです。
さらに、自社商品に強い興味を持っている見込み客に対しては、セミナーへの参加を促し、商品購入後の具体的なイメージが膨らむように仕掛けるのも効果的です。

それぞれの見込み客に合わせて、これらの方法を使い分けながら中長期的にアプローチをしていき、顧客を育てていくことが、まさにリードナーチャリングなのです。
見込み客の購買意欲をどのように高めていくかを考え、未来の顧客を増やすようなマーケティング戦略を練っていきましょう。


※本記事の記載内容は、2020年10月現在の法令・情報等に基づいています。