コーディアル人事労務オフィス

平成26年度の最低賃金及び厚生年金保険料率の改定

14.09.05
法改正
dummy

今回は、10月より対応が求められる改正事項2点についてお話ししていきたいと思います。

dummy

今回は、10月より対応が求められる改正事項2点についてお話ししていきたいと思います。

 

1.地域別最低賃金額改定

 

事業主にとっては頭が痛いニュースですが、今年も最低賃金が改定されました。

 

全国平均でいうと16円引き上げられ、780円になったようです。

地域別に関東圏内だけを見ていきますと、東京都、埼玉県、神奈川県は800円を超えていて、さらに東京都、神奈川県は900円に迫る勢いです。

 

東 京:888円   茨 城:729円

栃 木:733円   群 馬:721円

埼 玉:802円   千 葉:798円

神奈川:887円

 

他の都道府県の最低賃金額をご覧になりたい方は、下記をご参照ください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

 

ここまで読んでいただいて、「そもそも最低賃金って何?」と疑問に思われた方もいらっしゃると思います。

 

毎年、最低賃金についてご説明しておりますが、当時、読者でなかった方及びよく覚えていないという方のために再度ご説明させていただきます。

 

最低賃金額とは、会社が労働者に支払う1時間あたりの賃金(以下、時間給という)が最低賃金法で定める最低限度額以上でなければならないとする制度です。

 

たとえば東京都の会社であれば、最低賃金額869円以上の時間給を労働者に支払わなければ違法となります。

 

たとえ、使用者と労働者の間で最低賃金額より低い賃金を支払う旨記載された雇用契約書を結んでいたとしても、それは法律によって無効となり、最低賃金額と同様の定めをしたものとしてみなされてしまいます。

 

従って、使用者が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合には、使用者は労働者に対してその差額を支払わなくてはいけません。

 

また、一応罰則があって、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、50万円以下の罰金が課されます。

 

「うちは時給のアルバイトはいないから関係ないね」と思わないでください。

月給制であっても、時間給に換算して最低賃金額を下回っていれば違法となります。

 

最低賃金額を下回っていても気づかないケースとして、残業代を基本給に含めている場合が挙げられます。

基本給であっても残業代の部分については、最低賃金額の賃金対象とはなりませんので、最低賃金額を下回らないように毎年見直しを行っていただくことをお勧めします。

 

2.厚生年金保険料率の改定

 

これまた、事業主にとって頭が痛いニュースですが、9月より厚生年金保険料率が改定されました。

 

社会保険料は前月分を徴収するというルールがありますので、実際には10月給与から改定された厚生年金保険料を控除していきます。

改定された厚生年金保険料率(坑内員・船員の被保険者の方は除く)は、下記のとおりとなります。ご確認ください。

 

〈改正前〉

 

全体:171.20/1000

被保険者負担分:85.60/1000

事業主負担分:85.60/1000

 

〈改正後〉

 

全体:174.74/1000

被保険者負担分:87.37/1000

事業主負担分:87.37/1000

 

詳しくは↓

http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=27438

 

10月の給与計算する際には、お間違いがないようお気を付けください。

 

また、7月にお手続きをした算定基礎届により標準報酬月額が変更(9月分より適用)となっている被保険者もいるかと思いますので、併せてご注意ください。