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マーケティングに必要不可欠な、視点を変える『リフレーミング』とは?

19.07.09
ビジネス【マーケティング】
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イギリスの劇作家、ウィリアム・シェイクスピアの名言に「物事によいも悪いもない。考え方によってよくも悪くもなる」というものがあります。
たしかに何事も解釈しだいで、ときには思い込みの枠から離れてとらえ直してみることも必要です。
マーケティングの世界では、これを『リフレーミング』と呼んで重要視しています。
今回は、この『リフレーミング』についてご紹介していきます。
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認識の枠組みを変える『リフレーミング』

多くのビジネス書やビジネスセミナーなどで取り上げられる話に、『海外で靴を売るビジネスマン』というものがあります。
概ね、次のような話です。
Aというビジネスマンと、Bというビジネスマンがいました。
2人は海外のある国に靴を売りにいくことになりました。
しかし、その国では、誰も靴を履いていません。
ビジネスマンAは「この国では誰も靴を履いていません。この国には靴のニーズがありません」と本社に報告をしました。
一方、ビジネスマンBは「この国では誰も靴を履いていません。靴を売るチャンスです」と報告し、本社から手配した大量の靴を売りさばいて、ビジネスチャンスをものにしました。

もう一つの有名な話に、『コップの水』があります。
コップに半分水が入っている状況を前にして、人はどう考えるでしょうか。
半分という量は、薬を飲むのであれば十分ですし、火災を消すには不十分です。
また、その人の性格によっても考え方は変わってきます。
コップに半分の水を見て、「まだ半分もある」と楽観的に考える人もいれば、「もう半分しかない」と悲観的に考える人もいます。
つまり、状況や気の持ちようで、そのとらえ方は変わってくるということであり、一見、勝機が見えなくても、角度を変えれば見えてきたということは往々にしてあります。

これらの話のように、見ている光景や状況は同じでも、視点を変えることでとらえ方が変わることを、マーケティングの世界では『リフレーミング』といいます。

“リフレーミング(reframing)”は、もともとは、人間心理とコミュニケーションに関する学問『神経言語プログラミング』の用語で、“フレーム(frame)を見直す”という意味です。
“フレーム(frame)”は、物事の枠組みや仕組みのこと。
人間の考えは、フレームに左右されるあやふやなものでしかありません。
これを再構築することで新たな着想を得られるのが、リフレーミングを行う最大のメリットというわけです。


ユーザーのリフレーミングをうながすPR

マーケティングの世界では、ユーザー側の視点を変えるリフレーミングを仕掛けることで、ビジネスを成功させた例も数多く存在します。

3万円のハンドメイドのカバンを売るC社と、4,000円の大量生産のカバンを売るD社。
両社の売上を比べてみたところ、よく売れているのはC社の方でした。

D社のカバンは、大量につくるため在庫切れを起こすこともなく、さらに値段もリーズナブルなため、一見するとD社のほうがよく売れそうです。
しかし実際には、たとえ手間賃や材料費が上乗せされていても『ハンドメイド』という希少性を備えたC社のカバンに、多くの人が魅力を感じたのでした。

この成功の舞台裏には、C社によるユーザーへのリフレーミング戦略がありました。
C社は、自社のカバンをPRする際に、『限定生産』や『手づくり』『クオリティーの高さ』などを前面にアピールしました。
たとえば、ハンドメイドを謳う高価格帯商品の特徴としてマイナスイメージで語られがちな『なかなか手元に届かない』『価格が高い』といったことを、『限定生産だからこそお届けに時間をいただく』『クオリティーが高いからこその高価格』と、すべてプラスのイメージへとリフレーミングし、ユーザーの視点を変えさせることに成功したのです。

近年はファストファッションなど低価格帯の商品が注目を集める傾向にあり、品質がよくても価格が高いために売れない商品は世のなかにたくさんあります。
しかし、C社のように価格が高いなりの理由をきちんと提示し、ユーザーに理解してもらうようなマーケティング戦略を行えば、ユーザー側の商品に対する見方も変わってくるはずです。
ユーザーに対し、いかに『リフレーミング』を仕掛け、どうやって自社商品のメリットに目を向けてもらうかが、今後は重要な課題になってくるのではないでしょうか。


※本記事の記載内容は、2019年7月現在の法令・情報等に基づいています。