コーディアル人事労務オフィス

社員を育て、大きな成果を引き出す『コーチング』の技術

19.07.09
ビジネス【人的資源】
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人手不足が深刻化している昨今、企業は限られた人的資源を最大限活用する必要に迫られています。
そんななか、多くの企業に注目され、取り入れられているのが『コーチング』の技術です。
コーチングスキルを活用することで、部下や社員のパフォーマンスを向上させ、その結果、大きな成果を得ることが期待されています。 
そこで今回は、コーチングの考え方とともに代表的な技術を紹介します。
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社員にコーチングを行う目的とは? 

まず、『コーチング』の根底にある下記の3つの目的・考え方を押さえておきましょう。 
(1)相手の自律性を高める 
(2)相手の力を発揮させる 
(3)相手の成長を促進する 

コーチングとは、指示・命令に従わせる一方的なコミュニケーションではなく、“相手の自発的行動を促すコミュニケーション”を意味します。つまり、部下や社員が自ら考え、問題解決に向かうプロセスをサポートするということです。
“教える”のではなく、対話によって“導く”ことで、相手の自律性を高め、能力を引き出し、成長を促進させるわけです。 

これら3つの目的・考え方が根底にあることを念頭に置いたうえで、これから紹介する具体的なスキルを活用していきましょう。 


コーチングスキルの具体例 

ここでは、100種類以上あるといわれるコーチングスキルのうち、代表的な5つのスキルを紹介します。 

(1)安心感を与える接し方のスキル 
相手の自律性を高め、自主的な行動を促すには、その前段階として、相手との間に信頼関係が築けていることが大切です。
その点で有効なのが、“ペーシング”と呼ばれるコミュニケーション技法です。 
ペーシングとは、呼吸や言葉のリズム、声の大きさやトーンなど、話し方を相手に合わせることをいいます。
相手とペースを合わせることで一体感が生まれ、相手に安心感や信頼感を与えることができます。 

(2)聞くスキル 
“聞く”というのは、コーチングの重要なスキルの一つです。
人は、話を聞いてもらうだけで安心するもの。
そして、その安心感が自発的な行動につながるのです。 
“聞く”ことなら誰にでもできると思いがちですが、そうではありません。
相手が話しているとき、人は無意識に次に自分が話すことを考えていたり、話の先読みをしていたりするものです。 
きちんと“聞く”という行為は、意識的に行って初めてできることです。
話をしっかりと最後まで聞いた結果、相手から思わぬアイデアを引き出せたり、問題解決の糸口を見つけられたりすることが少なくありません。 

(3)質問するスキル 
コーチングにおける“質問”は、相手に気づきを促し、行動を起こさせるために行います。
質問には大きく分けて、YesかNoかで答えさせる“クローズドクエスチョン”と、自由に答えさせる“オープンクエスチョン”があります。
クローズドクエスチョンは、早く回答が欲しいときに有効ですが、こればかりになると相手は詰問されているように感じてしまいます。
相手の考えやアイデアを引き出したいときや、気づきを促したいときはオープンクエスチョンを積極的に用いるなど、目的に合わせた使い分けをしていきましょう。 

(4)提案するスキル 
リーダーは部下の考えや意見を受け止める存在ではありますが、必要に応じて提案やリクエストを行うことも大切です。ただし、提案などを行う際にも、自身は部下の成長や目標達成をサポートする役目であることを忘れてはなりません。相手に自分の考えを押しつけないように注意し、相手の自律性に働きかける伝え方を心がけましょう。指示・命令の形ではなく、提案を取り入れるかどうかの判断を本人に任せる姿勢を見せることもポイントです。 

(5)承認するスキル 
コーチングにおける“承認”は、相手の変化や成長、成果などに気づき、それを言語化して伝えることをいいます。これは「すごいね」「えらいね」と“評価を下す”こととは異なります。 
“承認”の例としては、「あなたがいてくれて助かる」「これをやってくれてありがとう」と、存在を認めたり、行動に対して感謝したりすることや、「○○ができるようになったね」と、変化に気づいて認めることなどがあげられます。 
承認されると「自分は認められている」という認識を持つことができるので、次の行動へのモチベーションにつながります。 


スキルに目を奪われると見失う“部下の成長” 

今回紹介したものは、コーチングスキルの代表例ですが、スキルばかりに目を奪われると、“部下の成長”という最大の目標を見失ってしまうこともあるので注意してください。 
まずは、目の前の相手に関心を持ち、その人の成長のためにはどういう関わり方が最適かを考えることが大切です。そのうえで、コーチングスキルを活用していきましょう。 

※本記事の記載内容は、2019年7月現在の法令・情報等に基づいています。