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不動産の境界線トラブル……まずは『筆界特定制度』の利用を!

19.03.05
業種別【不動産業(登記)】
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土地の境界には、2種類あることを知っていますか? 
土地の所有者の権利がおよぶ範囲の『所有権界』と、土地が登記された際に、土地の範囲を区画するものとして定められた『筆界(ひっかい)』です。 
この二つ、実は一致しないことも多々あり、土地の境界をめぐるトラブルに発展してしまうことがあります。 
そんなときに利用できるのが、裁判なしで解決を図ることができる『筆界特定制度』。
今回は、この筆界特定制度についてご紹介していきます。
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土地の筆界の位置を、特定する制度

土地の境界をめぐりトラブルに発展した場合、所有者が主張する『所有権界』ではなく、登記の際の区画である『筆界』がどのような状態であるかが鍵となります。

そこで活用したいのが、現地における土地の筆界の位置を特定する『筆界特定制度(ひっかいとくていせいど)』です。
これは、筆界特定登記官が民間の専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて筆界の位置を特定するもので、新たに筆界を決める制度ではありません。
実地調査や測量など、さまざまな調査を行い、過去に定められた本来の筆界を明らかにしていきます。

筆界特定は、隣接地の所有者の同意がなくても申請することができるので、手間や時間がかかりません。
『筆界特定制度』を利用することで、裁判を行わなくても迅速に解決することができます。


申請できるのは土地所有者か相続人

申請は、土地の所有者として登記されている人、もしくはその相続人などが行います。
対象となる土地を管轄する法務局、または地方法務局の筆界特定登記官に対して申請しますが、その際『筆界特定申請書』を作成し、添付書類(代理権限証書や相続証明書、固定資産評価証明書、現地案内図、手数料計算書など)と一緒に提出します。

申請の手数料は、土地の価格によって決まります。
たとえば、申請人の土地とその隣の土地の価格の合計額が4,000万円である場合、申請手数料は8,000円です(法務局WEBサイト参照)。

このほか、手続きの中で測量が必要になった場合、測量費用を負担する必要があります。


特定結果は万が一の裁判でも有利に

筆界はあくまで、法務局の登記で定められた区画です。
筆界特定制度による結果に納得できない場合や、所有権について了承できない場合は、裁判で争われることになります。
筆界特定の結果は裁判でも重要視されますので、筆界と異なる判決が出ることはレアケースです。
事実上、この制度で筆界を特定すれば、土地の売買が可能であるともみなされます。


土地の境界をめぐるトラブルで、いきなり裁判となってしまうと長期化や精神的負担を強いられることは避けられません。
まずは筆界特定制度を利用して、筆界を明らかにすることから始めてみましょう。


※本記事の記載内容は、2019年3月現在の法令・情報等に基づいています。