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『商業登記』『商号登記』と『商標登録』の違いに注意!

18.10.04
業種別【不動産業(登記)】
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「商号登記をしているから、ほかの会社に社名を使われることはない」と思っていませんか?  
会社名やサービス名を自社で独占して使いたい場合、商業登記や商号登記だけでは不十分です。 
今回は、混同しやすい『商業登記』と『商標登録』、そして『商号登記』の役割やその違いについてご紹介します。
これら3つの違いがあいまいで混乱している方は、ぜひこの機会にスッキリさせましょう。
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法人だけが行える『商業登記』
個人事業主も行える『商号登記』

『商業登記』は、法人が法務局に申請して行う登記のことです。
商業登記を行い、登記事項証明書を取得することで、会社名や所在地、事業の目的や責任者などを誰でも閲覧できる状態にすることができます。
また、その法人が実在していることを公に示し、取引の安全性を高めるという意味合いもあります。

そして『商号登記』は“商号”を登記することです。
こちらは法人だけでなく個人事業主も行うことができ、同じく法務局に申請します
個人事業主は、法人と取引をするときに登記事項証明書の提出が求められることがあり、そのタイミングで商号登記をすることもあるようです。
商号登記をしたからといって商号を独占使用できるわけではありませんが、会社の信頼性が増すという意味で、メリットがあると言えるでしょう。


商号は最低限の保護を受けている

商号については、会社法という法律で最低限の規制がかけられています。
ある会社に被害を与えようという不正な目的を持って、同じ会社だと誤解させるような商号は使用できません。
そのような商号使用で営業上の利益を侵害されるおそれがある場合は、相手方が商号登記をしているか否かにかかわらず、侵害の停止または予防を求めることができます。
ただ、商業登記法では『すでに登記されている他の会社と同一の商号であり、かつ本店所在地も同一である場合には、登記することができない』と規定されており、不正な目的がないと認められれば、“本店所在地が別の会社の、同一ではなく類似した商号”なら登記は可能ということになります。


商号を占有できる『商標登録』
 
「同じ社名を絶対に使われないようにしたい」と考えるのであれば、商業登記や商号登記に合わせて『商標登録』が必要です。
これは法務局ではなく、特許庁に申請します。
商標登録が完了すると、日本国内でその商標を独占使用できる“商標権”が発生します。
『商業登記』『商号登記』と違い、不正の目的を持っていない人に対しても「その商号を使わないでください」と、商標権の侵害を理由に差し止めを求めることができます。

注意しなくてはいけないのは、商業登記・商号登記と、商標登録との申請先の違いや、申請から処理までの時間の違いです。
先に商業登記をしていたとしても、同じ名前を他社に商標登録されたら、それを使うことはできなくなります。
また、商標登録は先に願書を出したほうが優先されますが、登録されるまでにはタイムラグがあるため、登録されてすぐの場合は検索で見つからないことも少なくありません。
もしも商標登録をするときには、しっかりと調べておくことが重要です。
 
 

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