コーディアル人事労務オフィス

成果を上げた組織をさらにレベルアップさせるには?

14.06.01
ビジネス【人的資源】
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6月12日に開幕するサッカーW杯ブラジル大会に、
日本代表が5大会連続5度目の出場を果たす。

3大会連続出場となる遠藤保仁(34歳・ガンバ大阪)は、
「W杯に出るだけでは何も語れない」と言う。
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スポーツの視点からみる人的資源

「いい結果を出してこそ、
初めて胸を張って語ることができる。
それは僕だけじゃない。
W杯が初めての選手も、出るだけじゃなく
勝ちたい気持ちが強いはずですよ」

五輪のメダリストに報奨金が与えられるように、
W杯にもボーナスがある。

1勝につき200万円で、引き分けは100万円だ。
グループステージを突破してベスト16入りすると、
600万円がプラスされる。

ベスト8入りすれば、上位進出のボーナスは800万円に増額される。
わずか1ヵ月ほどで、選手たちは1000万円以上を手にすることができるかもしれないのだ。

だからといって、彼らがお金のためにプレーするわけではない。
選手たちが胸に刻むのは「日本のために」という使命感である。

苦しい局面で脳裏を過るのは
「自分を育ててくれた両親や恩師、妻や子どもの姿であり、
ともに戦ってきたライバルやファン・サポーター」だと、誰もが口をそろえる。

自らを支えてくれる人々の存在が使命感を呼び覚まし、
勝利を届けたいという思いが揺るがせざるものとなってチームのエネルギーになる。

自分の調子にかかわらず、両親や家族は絶えず支えてくれている。
批判的なメディアに同調することもない。
いつでも温かく見守ってくれているという事実が、
選手たちのモチベーションに持続力を与えている。

会社組織においても、同じことが言えるはずだ。
人間はサイボーグではない。
誰にでもモチベーションが落ちるタイミングはある。
体調の変化に、やる気を削がれることもあるだろう。
そうした場面で上司に求められるのは、叱責ではない。問いかけである。

頑張った自分と、頑張らなかった自分のどちらを、
両親や家族は喜んでくれるだろうか。
支えてくれる人たちの笑顔を見るために、
自分は何をするべきなのか。

人と人とのつながりを再確認することで、
サッカー日本代表のような組織を作り上げることは可能なのだ。


次回の「スポーツの視点からみる人的資源」は
「価値観のギャップを埋める良策とは?」をお届けします。

[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。
 
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