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あなどってはいけない! 中小企業の相続・承継にも争いの火種はある

17.10.06
業種別【不動産業(相続)】
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会社の相続問題が「お家騒動」としてテレビで騒がれることがたまにあります。 

「跡継ぎをちゃんと決めているから」
「そんなたいした会社じゃないから」
と思って、あまり気にしていない方はいませんか? 

しかし実際は、会社の規模にかかわらず、相続・承継で“騒動”が起きてしまう可能性があります。
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遺言を残したからといって安心はできない 

具体例を挙げながら、相続・承継の問題点を見ていきます。 

・会社の株も財産も長男にすべて継いでもらうよう、遺言書に残している 
一見、経営者の死後は長男が全権を握れ、うまく承継ができそうです。 
しかし民法には、「遺留分」という制度が定められており、遺言で財産をもらえないとされた長男以外の相続人は、法定相続分の2分の1にあたる金額を長男に対して請求できます。 
遺留分を度外視してすべての財産を1人が相続すると、ほかの相続人から遺留分請求をされ、争いにつながる可能性が高いのです。 

・生きているうちに株式をあげる(贈与する) 
特定の相続人の「特別受益」として、株式の価値を遺産に含めて計算する場合があります。 
また、譲渡の仕方によっては贈与税が多額にかかってしまうので、贈与の方法自体にも工夫が必要です。 


大企業よりも中小企業の方が争いの火種は多い? 

「大企業だから『お家騒動』が起こる」と思っているのは危険です。 

遺産に会社の株式がある場合、遺産分割遺留分請求の手続をする際に、株式の金額を算定します。
非上場株式は上場株式のように市場価格が明確でないので、価格評価で揉めることが多いのです。 

また、株式に価値がほとんどない場合でも安心はできません。 
株式の保有数が経営権にかかわります。
経営権を取りたい相続人がいると、価値がほどんどない株式に値段をつけて売ろうとする相続人が現れる可能性があるのです。 

以上の点を見ると、上場している大手企業よりも中小企業の方が相続で揉める可能性が高いといえます。 
  
争いを起こさずに会社を承継するには、長期的な視点を持って対策を立てなければいけません。 

長年尽くしてくれた部下に会社を譲りたい場合は、子どもに相続するときよりも準備と根回しに時間と労力がかかります。 

「まだまだ現役だから、会社の相続・承継はまだ先の話だ」と思っている方。 
そんな悠長なことを言っていられない状況は、すぐそこかもしれません。 



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