コーディアル人事労務オフィス

「デザイン思考」5つのステップの具体例

14.05.04
ビジネス【マーケティング】
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前回は、いま注目の「デザイン思考」、
その5つのステップをご紹介しました。
今回は5つのステップのそれぞれについて、
具体的に考えて行ってみましょう。 

これは私が、あるデザイン思考の
ワークショップで実際にやってみた事例です。
その時に与えられた課題は、
「いままでにないゼリー製品を考えよう」
というものでした。
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佐藤達郎のマーケティング論

まず、ステップ1「Empathize(ホンネをつかむ)」です。
この時は6人のメンバーでしたが、
2人ずつペアになって進めました。
1人が実際にゼリーを食べて、
もう1人はその様子を観察、
さらに「食べている時に何を考えていたか?」
について交互にインタビューをしました。
そうすることで、新たなニーズやインサイト
(その製品を使う時のホンネ)をつかんで行くのです。
我々のペアがつかんだニーズは「こぼさずにキレイに食べたい」、
インサイトは「ゼリーを食べる時にも大人の男として振る舞いたい」
ということでした。

そして、ステップ2「Define(着眼点を明確にする)」です。
他のペアが見つけたニーズとインサイトも検討して
チームで話し合い、我々が考える
「いままでにないゼリー」の着眼点は、
「こぼさずにキレイに食べられる、大人の男のためのゼリー」
というものに決定しました。

ステップ2で明確にした着眼点を具現化するアイディアを
ステップ3「Ideate(革新的なアイディア開発)」で
たくさん考えました。
例えば、「個包装のゼリー」「特保・脂肪燃焼ゼリー」
「にこごりゼリー&フォアグラ・ゼリー」などなど。
そこから「高級感のある食べ切りおつまみゼリー」
というアイディアに行きつきました。

そして、ステップ4「Prototype(実際にやってみる)」。
ワークショップではデスクの上に、
セロテープ、ハサミ、色紙、ピンポン玉など
さまざまなものが置かれていて、
それを本物と見立てて、
仮に製品をつくってみることに。
「高級感」を出すには、洋食器で有名な
燕三条製のスプーンにフォアグラ・ゼリーなどを
載せて、そのまま売ろうなどの
追加のアイディアも付加されました。

ステップ5「Test(ユーザーからのフィードバック)」では、
他のチームの人たちにプロトタイプを見せて説明、
さまざまな意見をもらいました。

「デザイン思考」実践のだいたいの雰囲気は
分かっていただけたかと思います。

さて、マーケティングの基本は
「顧客志向」にありますが、
さらに「社会志向」の要素が加わり、
その重要性が増している、と言われています。
次回からは、この「社会志向」に焦点を
当てて行きたいと思います。

次回の「佐藤達郎のマーケティング論」は
「 “世界最高峰”の広告賞カンヌライオンズで話題の
『ソーシャル・グッド』って何だ?」をお届けします。

[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。


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