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『キッチンカー』で営業するには? 必要な許可をチェック

24.10.01
業種別【飲食業】
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『キッチンカー』とは、食品や料理を提供する調理設備を備えた移動販売車のことです。
店舗営業よりも初期費用や固定費が抑えられるうえに、オフィス街やイベント会場など、さまざまな場所に出店できるというメリットがあります。
しかし、実店舗の出店と同じく、営業許可の取得や車両の用意など、キッチンカーの営業も事前に多くの準備が必要になります。
出店場所についても、あらかじめ決めておかなければいけません。
出店に際して困らないよう、キッチンカーで開業する際の事前準備について説明します。

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保健所で飲食店営業の営業許可を取得する

キッチンカーは車両の購入費用などが必要になるとはいえ、高額な不動産の購入費用や内装工事費などがかかる店舗型に比べて、初期費用を大幅に抑えることができます。
選んだ車種や設備にもよりますが、だいたい約300~500万円ほどで開業できるといわれています。
固定費についても、家賃やテナント料などがかかる実店舗に比べると、ガソリン代や駐車場代などは発生するものの、比較的安価に抑えることが可能です。

また、実店舗のように営業場所が決められていないので、自由に出店場所を変更できるというメリットもあります。
たとえば、あまり売上が上がらなければ、今まで以上に売上が見込めそうな場所へ移動することもできるということです。

このようにメリットの多いキッチンカーで開業するためには、保健所で「飲食店営業」の営業許可を取得する必要があります。
注意したいのは、自身の居住地の保健所ではなく、キッチンカーを出店する地域の保健所で営業許可を取得する必要があることです。
たとえば、埼玉県在住の人が東京都内で出店する場合、東京都の保健所で営業許可を取得する必要があります。

さらに、飲食店営業の営業許可を取得する際には、「食品衛生責任者」の資格が必要になります。
食品衛生責任者とは、その施設における衛生管理の中心的な役割を担う者のことで、飲食店などの店舗施設に1名以上設置することが義務づけられています。
食品衛生責任者資格は、各都道府県の食品衛生協会が行なっている会場集合型の食品衛生責任者養成講習会を受講すれば誰でも1日で取得できるので、営業許可の申請を行う前に取得しておきましょう。

出店スペースを確保するためには?

営業許可を取得するためには、保健所にキッチンカーを持ち込み、検査を受ける必要があります。
検査の項目は「運転席と調理場の区切り」や「タンクの容量」「シンクの数と大きさ」「洗浄消毒設備」など多岐に渡りますが、もし一つでも基準を満たしていないと、再検査を行うことになり、余計な手間やコストがかかってしまいます。

再検査にならないよう、まずはキッチンカーを購入する前に、保健所へ相談に行き、各項目の基準をしっかりと把握したうえで、基準を満たした車両を購入するようにしましょう。
キッチンカーの入手方法は、自身の車を改造したり、中古のキッチンカーを購入したりといった方法もありますが、保証のしっかりしているキッチンカーの専門店で販売されている車両が安心です。

キッチンカーの納車日が決まれば、保健所に連絡して検査日時のすり合わせをしておきます。
必要書類の用意なども含めて、不明点などがあれば、保健所にその都度、相談することでスムーズに営業許可を取得することが可能です。

キッチンカーを購入して、営業許可も取得したら、最後の問題は出店場所です。
広場や公園、ビル内の敷地や大学の構内など、キッチンカーは多彩な出店場所が考えられますが、どの場所であっても自身で交渉して許可をもらう必要があります。
また、人気のある場所はすでに別のキッチンカーが出店しているかもしれません。

もし、出店場所に困っているのであれば、キッチンカー側と出店スペースの権利者を仲介してくれる専門の仲介会社を活用するのも方法の一つです。
手数料はだいたい売上の15~20%ほどで、仲介会社が仲介している人気の出店スペースに出店できるチャンスもあります。
また、キッチンカーと出店スペースのマッチングサービスや、キッチンカーが出店できる各種イベントを仲介してくれる会社などもあるので、状況に合わせて利用を検討してみましょう。

キッチンカーは比較的コストがかからず、自由度も高いビジネスモデルですが、出店スペースの確保がむずかしく、提供できるメニューの品目が限られるなどのデメリットもあります。
失敗しないように、予算やメニューなどに合わせて、入念な出店計画を立てていきましょう。


※本記事の記載内容は、2024年10月現在の法令・情報等に基づいています。