KUMA Partners株式会社

起業後の個人資産を守るには?

16.10.28
ビジネス【税務・会計】
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起業をすると多かれ少なかれ借入をすることがあるかと思います。

特に中堅規模まで成長していく過程で、多くの企業は銀行から借入を行い、ほぼ例外なく社長自身が「連帯保証人」になることでしょう。 

そうした中、万一会社経営に失敗すれば、社長自身の家や有価証券等もすべて失うことになります。

多くの場合、社長ばかりか妻も連帯保証人になっており、自宅まで取られるケースが考えられます。 

このような最悪の事態を避けるためにも、最低限知っておきたい「個人資産を保全するための考え方」についてご紹介します。
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<同族経営のリスクに対処する> 

日本の中小企業のほとんどは同族会社です。

社長の妻は役員として会社から報酬を受けており、保証人になっているケースが多いと思います。 

当然、妻も夫に重大な過失があれば賠償責任を求められることになりますが、連帯保証人でも役員でもない妻であれば、いくら夫婦といえども個人財産を差し出して夫の負債を肩代わりする法的義務はないと言ってよいでしょう。 

妻が、名前だけで経営には実質的に携わっていないというような場合は、取締役にはしない方がよいでしょう。 

資産保全のために常々できることとしては、以下の3点が挙げられます。 

1.家族の個人財産と会社の事業用の財産を明確に分離する 
2.社長の個人財産と妻固有の個人財産を明確に分離する
3.日常家事債務などの生活費や妻に支払う給料は、妻の個人口座を作りそちらに振り込む

原則的に以上3点を守っていれば、なし崩しにすべてを失うことがなく、会社が倒産した後でも自由に使える預金を保持していくことができるでしょう。 

最後に、「個人預金を社長以外の親族の名義にする」という「預金分散」も、資産保全の観点から有効な手段と言えます。

詳しくは、金融庁の「預金保険制度」をご参照ください。 

以上、簡単ではありますが、「個人資産を保全するための考え方」について解説いたしました。

あらゆる手立てを使って、もしものときにも最低限の暮らしのめどが立つよう、資産に関してやるべきことはやっておきましょう。 

詳しいことは会計事務所にお問い合わせください。


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