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人前であがらずに、そして臨機応変に話すための「ビジネス会話術」その2

15.09.11
ビジネス【マーケティング】
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前回から、プレゼンや発表のときに焦らずあがらず、落ち着いて効果的に話すためのノウハウや心構えをご紹介しています。今回のテーマは、「質問嫌い」から「質問好き」への変身です。 

厳しい質問が出ませんように、出ませんように。そんなフレーズを念仏のように頭の中で唱えていませんか? そう思えば思うほど、質問が来たときに「困った」という感情が先に立ち、しどろもどろになりがちです。 

しかし、よく考えると、質問って、ありがたいんです。なぜならば、質問は「より深く説明できる機会」だからです。
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プレゼンもスピーチも、自分の知識や理解を基にして話しています。論理の進みや考え方も、自分の考えたものですから、当然よく分かっています。ところが、相手が同じように考えているとは、限りません。 

もし質問が出なくて、しかもうまく伝わっていない状況だと、やみくもに説明を繰り返すか、どこが伝わっていないのかを、こちらから尋ねなければなりません。 

そんなわけで、今の僕はむしろ「質問好き」です。早く質問してくれないかなあ、と待ち構えています。それがどんなにきつく思える質問だとしても、です。 

そして、「質問から相手のホンネをくみ取る」ことにも、チャレンジしましょう。 

プレゼンや発表を聞く立場の人が、コミュニケーションの能力が高いとは限りません。自分が気になっている内容を、こちらに分かりやすく的確に質問できる人が多いか、と言えば、実は少ないのです。 

ところが話す側は、ついつい相手を上に見てしまいます。こちらが提案や発表をして、相手はその良し悪しを判断する人、評価しコメントする立場が上の人だと思うと、「相手の質問の仕方に問題があるんじゃないか」とは、なかなか頭に浮かびません。しかし、事実はむしろ逆なのです。そして、そう認識することで、事態は開けてきます。 

提案を受けて、「なんだかピンと来ない」と言う人は多いですね。話者からすると、「ピンと来ないって、いったい何だ?」ということですが、これはもうこちらで努力して、ピンと来ないの「ピン」は何を指しているのか、ホンネを探るしかありません。 

「もう少しパンチの効いた提案にできないの?」といった質問を受けることもあります。この場合の「パンチの効いた」も、謎です。何をもって「パンチが効いている」とその方が感じるのかは、簡単には分かりません。この場合もこちらから、ホンネを引きずり出す努力をするしかないのです。 

そのとき、「そのパンチって具体的には何ですか?」とか「いったい何がピンと来ないのですか?」などと、相手を追い詰めるような聞き方をしてはいけません。相手は、適切な言い方を思いついていないのです。ここは、「それは、つまり、こんな感じのことでしょうか?」というふうに、こちらから引き出す努力をしてあげることが必要です。 

次回は『人前であがらずに、そして臨機応変に話すための「ビジネス会話術」その3』です。


佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法 


[プロフィール] 
佐藤 達郎(さとう・たつろう) 
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。 


[記事提供] 

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