KUMA Partners株式会社

資材高騰の今こそ求められる『サーキュラーエコノミー』とは

26.08.04
業種別【建設業】
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近年、建設業界では資材価格の高騰が経営を大きく圧迫しています。
これまでのように大量に資材を投入し、大量の廃棄物を出すビジネスモデルは、コスト面からも環境面からも限界を迎えつつあります。
そのなかで、関心が高まっているのが、「サーキュラーエコノミー(循環経済)」という考え方です。
サーキュラーエコノミーとは、資源を効率的に循環させることで廃棄物の発生を抑え、環境保護と経済成長を両立させる仕組みです。
資材高騰の対策としても有効な、サーキュラーエコノミーの基礎を押さえておきましょう。

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業界の現状と持続可能な事業モデルへの転換

現在、日本の建設業界はさまざまな課題に直面しています。
木材や鋼材をはじめとする建設資材の価格高騰は長期化しており、収益を圧迫する大きな要因となっています。
解体工事などで発生する産業廃棄物と、その処理費用も大きな負担の一つです。
また、世界的な脱炭素の流れに伴う環境規制や、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化への対応などにも、業界全体で向き合わなければなりません。

こうした課題解決を目的に、新たな経済の仕組みとして「サーキュラーエコノミー」が注目されています。
サーキュラーエコノミーとは、資源を循環させることで廃棄物の発生を抑え、資源の投入量と消費量を削減する経済モデルのことです。

以前から存在する概念ですが、2015年12月に欧州委員会が環境政策の一環として「サーキュラーエコノミーパッケージ」を公表したことで、世界中から注目されるようになりました。
日本でも2020年に経済産業省によって「循環経済ビジョン2020」が策定され、国をあげた取り組みが進められています。
このビジョンでは、「環境活動としての3R」から、「経済活動としての循環経済(サーキュラーエコノミー)」への転換を図ることが示されています。
3Rとは、「リデュース・リユース・リサイクル」の頭文字をとった日本の環境政策の指針です。
つまり、「循環経済ビジョン2020」で示されたのは、単なる環境配慮や廃棄物削減にとどまらず、循環型の仕組みを企業の競争力や経済成長につなげるビジネスモデルへの転換ということになります。

サーキュラーエコノミーの取り組み

各国でサーキュラーエコノミーの取り組みが進むなか、建設業界においては、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄から脱却し、資源の利用を最適化することが求められています。
建材の調達・施工・使用・解体までのサイクルにおいて資源を循環させ、再生可能エネルギーの活用も組み合わせながら、廃棄物を最小限に抑えることを目指さなければいけません。

では、建設業者として、具体的にどのような取り組みを進めればよいのでしょうか。
その一つが、既存建物の改修工事による利活用です。
スクラップ・アンド・ビルドを繰り返すのではなく、今ある建物の構造体を活かしながらリノベーションを施すことで、新しい資材の投入量を大幅に抑えつつ、高い価値を提供できます。

新しく建物を建設する場合においては、将来の解体を見据えた設計を取り入れることが、サーキュラーエコノミーに即した取り組みといえます。
建物を解体する際、建材が強固に接着されていると分別がむずかしくなり、そのまま廃棄物になってしまいます。
しかし、あらかじめ解体しやすいよう、ボルト留めを中心とした接合方法を採用したり、部材ごとに取り外し可能な設計にしたりすることで、将来的に建材をそのままのかたちで取り出して再利用できるようになります。
こうした設計を「サーキュラーデザイン」と呼びます。

また、日々の業務のなかで、サーキュラーエコノミーを実現する建材を積極的に選定・利用することも効果的です。
たとえば、再生プラスチックや再生コンクリートなどを活用することは、資源循環を支えることにつながります。
リサイクルタイルや再生ガラスパネル、再生可能なバイオベースの資材なども、循環型建材として、近年は現場でも採用が進んでいます。

施工現場における分別や再資源化の徹底も欠かせません。
現場から出る端材や梱包材を細かく分別して専門業者に引き渡すことで、廃棄物処理コストを削減しながら資源としての価値を再生させることができます。
解体工事の段階でも、建設リサイクル法に基づく「分別解体」を徹底し、使用されている建材を丁寧に取り外して再利用・再資源化を図ることで、より質の高い資源の回収が可能となります。

資材高騰や環境規制の強化は、事業者にとって大きな逆風といえるかもしれません。
しかし、サーキュラーエコノミーという新しい視点を取り入れることで、資材コストの削減や、他社との差別化を図る強力なアピールポイントとなります。

従来のスクラップ・アンド・ビルドから、資源を循環させながら価値を長く保ち続けるビジネスへの転換は、持続可能な基盤を築くためにも必要な経営判断といえるでしょう。
まずは現場の分別やリノベーションの提案など、自社ができるところから始めてみましょう。


※本記事の記載内容は、2026年8月現在の法令・情報等に基づいています。