社会保険労務士法人村松事務所

「信頼できるサイト」の条件

14.11.12
業種別【医業】
dummy
前回は「かかりつけ医よりもインターネット」に移行する患者へのアドバイスについてご紹介しました。
そもそも日本の検索エンジンでは、正しい医療情報にヒットする確率が3~4割しかないという残念な状況(いや、「問題な」状況といった方がいいかもしれません)があります。

しかし「検索上位が正しい情報とは限りません。信頼できる情報を見てくださいね」と患者さんに言うだけでは「じゃあ先生、どんなサイトなら信頼できるの?」と突っ込まれてしまうでしょう。
dummy
選ばれるクリニックへのナビゲーション

米国では、Webサイトを見るときに参考にするべき指標があり、1997年に米国医師会雑誌(JAMA)に掲載されています。
それによると、以下の4つの指標を満たすのが信頼性の高いサイトです。

1.authorship
著者とその所属や資格。
前回紹介した後藤悌氏(東京大学呼吸器内科)によれば、「日本では個人のページが単独で上位にランキングしている」と指摘しています。

2.source
引用文献など情報源、コピーライト情報。
私の実感でも、怪しい医療情報は情報源が明記されず、やたら「~と言われています」というあいまいな表現が多いように思えます。

3.disclosure
サイトの所有者、出資者、広告、利益相反。
要はそのサイトが宣伝目的でないかどうか。

4.currency
最終更新日。
利益相反などは素人目には一見わかりにくいかもしれませんが、(1)や(2)は比較的見分けやすいかと思います。
「宣伝のためにつくられた医療情報も掲載されているので、よくよく注意して見てください。きちんとしたWebサイトならば、医療者が監修していたり、引用文献もサイト運営者の情報もしっかり記載してあるはずです」と教えてあげられれば、患者さんにも役立ちます。

【参考文献】
後藤悌「インターネットにおけるがん医療情報の現状と、改善への取り組み」(「情報管理」53(1), 012-018, doi: 10.1241/johokanri.53.12)

次回の選ばれるクリニックへのナビゲーションは、『クリニックでがんを治す』をお届けします。


[プロフィール]
中保 裕子(なかほ・ゆうこ)
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。 
ホームページ  
自主運営サイト「女性のための乳がん情報サイトCandle Room」
ブログ