社会保険労務士法人村松事務所

今すぐできるリコール率アップのコツとは?

19.12.19
業種別【歯科医業】
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増患・集患のためにはリコール率を上げることが重要です。
しかし、治療が終わった患者がメンテナンスに対してどのような意識を持っているかによって、来院してくれる可能性は変わってきます。
今回は、リコール率を左右するメンテナンスについて、患者が途中で通わなくなってしまう理由と、リコール率を上げるための対策について考えていきます。
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歯科通いを止める患者の心理とは

虫歯や歯周病などの疾患は、治さなければ痛みが続いたり、症状が悪化したりしてしまいます。
そのため、治療については必要性も緊急性も高く、通い続ける必要があります。
しかし予防のためにクリニックに通うことは、治療に比べると必要性も緊急性も低いため、忙しい、面倒などの理由でつい先延ばしにされやすくなります。

メンテナンスの内容はクリニックそれぞれですが、問題がなければ歯石の除去など同じケアで終わっていないでしょうか。
治療が終わって数回であれば患者側も気になりませんが、毎回同じことの繰り返しとなると、メンテナンスに対する重要性に疑問を抱き始めやすくなります。
同じことの繰り返しは計画性が感じられず、目標が見えにくいものです。
メンテナンスの重要性を理解できず、内容と支払う金額が釣り合わないと判断してしまうと、次第に足が遠のいてしまう可能性があります。
また、多くのクリニックでメンテナンスは3カ月~半年に一度と定めていますが、患者側がその必要性を理解しておらず、『頻度が高い』と判断していることもあります。


メンテナンスを促進するヒント

リコール率を上げるためには、スタッフと患者が適切にコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことが重要となります。
具体的な対策としては、以下のことが考えられます。

・メンテナンスの必要性を理解してもらう
クリニック側からのアプローチにより、患者の意識を高めることは可能です。治療からメンテナンスに移行する際に、メンテナンスがなぜ重要なのか、どれくらいの間隔でのメンテナンスが必要なのかといったことを説明し、患者に理解を促すなどの意識づけが大切です。

・担当者を決める
来院する度に違う担当者が対応するクリニックは少なくありません。クリニック側にとっては、いつでも予約がとれる、いつでも対応できるという点では楽かもしれません。しかし、患者にしてみると『いつも違う人が担当だから、いつ行かなくなってもよい』という意識につながりやすくなります。担当者を固定すると、シフト管理は難しくなるかもしれませんが、患者のことを深く理解でき、前回のメンテナンス時の対応や状況なども把握しやすくなります。患者側にとっても安心感がありますし、結果として離脱を防ぐこともできそうです。

・計画や目標を立て、共有する
場当たり的なメンテナンスだと思われてしまうと、患者にとってのメンテナンスの重要性が下がり、リコール率の低下につながりやすくなります。そこで、メンテナンスが、どこに向かっているのかという目標を設定すれば、メンテナンスに通う意味を見いだしやすくなります。重要なのは、医師や歯科衛生士が一方的に説明するのではなく、患者と目標を共有することです。また、一般論ではなく、患者一人ひとりに合わせた目標設定をするとよいでしょう。

・コミュニケーションをとる
メンテナンスは治療ではないため、基本的に医師ではなく歯科衛生士が応対するクリニックも多いでしょう。しかし、数回に一度は医師が応対するタイミングを意図的につくるなど、コミュニケーションを密にとることをおすすめします。医師がカルテを見て何かコメントをしてくれたり、数回に一度は様子を見に来てくれたりすることで、患者としても『大事にされている』と信頼を抱くようになるからです。

クリニック側は治療の延長線上にメンテナンスがあるものと考えますが、患者側としては、治療が終了した時点でクリニックに通う目的は達成しています。
メンテナンスは治療とは全く別ものという意識になっている患者の方が多いと思っていたほうがよさそうです。
そのうえで、メンテナンスに来てもらうための対策を一から考えてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2019年12月現在の法令・情報等に基づいています。