社会保険労務士法人村松事務所

「組織原則が組織運営の問題を解決する」編

19.07.01
ミニコラム
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<全ての部下は全ての上司が育てる原則>

約1年かけて3か月間に1回成長支援会議を行うと、まず気づくのは成長
支援会議の時間が短くなっていることです。仮に社員1人当り15分かかっ
ていたとすると、10人いれば成長支援会議は150分かかります。これが、
1年後には1人当り1.5分、10人の評価は15分で決まってしまうということ
になります。
このように時間が短くなる最大の理由は、上司間の評価のバラツキがなくなる、
つまり全上司が経営者と同じように評価することができるようになるからです。
この段階になると、成長支援会議に参加している上司がある驚くことを発言す
るようになります。

「Aさんの部下のBさんはこの1年間あまり成長しなかったように感じます。
何か彼が抱えている問題などはありませんか。あったら話してください。
みんなで知恵を出し合って、Bさんの成長を助けましょう」

通常は命令系統統一の原則があり、ワンマンワンボスです。基本的に上司が
考えるのは、直属の部下のことだけです。とはいっても上司は部下を持つこと
で部下の成長を真剣に考え、部下の人生に責任を持ち、プレーヤーのときとは
異質の成長を遂げるようになります。

さらにこの過程の中で、成長支援会議ですべての部下の成長を確認することで、
全上司が全部下の成長に関心を持つようになります。そうして、先ほどのよう
な発言が出てくるようになるのです。

上司と部下には当然相性もあるでしょう。その中で、上司は現在の自分の部下
を成長させると同時に、将来に異動してくる可能性のある部下も含めて、入社
したすべての部下を成長させようという考えに変わっていくのです。

自分の直属の部下でないからと言って関心をもたないのはおかしい。すべての
部下に成長してもらうことが大切である。これは経営者と全く同じ思いでしょう。
これを全上司が持つようになるのです。

全上司がこの想いを持つことによって、組織のどこかで足踏みしてなかなか成長
ができない部下を、全上司で指導しようとなります。これほど組織力が強力に
発揮できることはありません。

1人の部下に対して全上司が成長を支援しようとするのです。そのためのアドバ
イスを直属の上司1人に集中させるのです。「誰かのために」と言う思いで、
社内にある素晴らしいアドバイスがそこに集約されるでしょう。

「お互いに成長させよう」
 
この意識になったときに、この成長支援会議に参加している全上司が一丸となって
部下の成長を考えることによって、また新たな経験則を得ることになります。
 
部下指導の力はどれだけ多くの部下を成長させたかにつきます。この成長支援会議
を通じて全上司がそれを共有化することによって、上司の成長のスピードは飛躍的
に高まるでしょう。

   = この続きは、来月またお送りいたします。 =