社会保険労務士法人村松事務所

「組織原則が組織運営の問題を解決する」編

19.04.30
ミニコラム
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<マネジメントは成長進化の原則>

中堅職にステップアップし部下を指導するようになると、部下を指導する知識
・技術を学ぶようになります。その中で多くが部下をどのように成長させるか、
「部下を成長させる知識・技術」を学んでいると錯覚をしてしまいます。
「部下にやる気を出せ」と言ったところで部下がやる気を出した試しはありません。
「失敗するな」と言ったところで失敗しないことはありません。そのときになか
なか成長しない部下に対して、その部下自身の素質の問題、能力の問題、そして
精神力の問題だと錯覚してしまうのです。

部下が成長しないのは部下に問題があると考えてしまえば、「部下が自分の問題
点に気がつくまで成長できない」という結論になってしまいます。これでは、
多くの部下が成長せずに今の成長のまま足踏みすることになってしまいます。

「部下指導」の期待成果は部下の伸びた成長点数です。どんなに一生懸命部下を
指導しようとしても、マネジメントの仕事を実施したとしても、部下の成長点数
が伸びなければ、それは自分にまだ部下指導の力がついていないということです。
自分のマネジメントの仕方の問題として考えざるを得ません。自分がどのように
部下を指導したらどのように部下が成長するのか、そのことを考えなければなら
ないのです。

中堅職の最初の成長等級は4等級です。そこから部下を成長させることに取り組み、
少しずつできるようになって5等級にステップアップし、やがては中堅職を卒業
する6等級にステップアップすることになります。

このステップアップは、自分が部下を成長させることができたか証しであることに
間違いありません。であれば自分のマネジメントの仕方のどこを改善すれば良いのか、
中堅職である人たちはそのことに最大の関心を持たなければならないでしょう。

その最大の関心の1つが部下を認めるということです。中堅職にステップアップ
した社員は常に部下のできてないところに目が行ってしまい、なかなか部下を認
めることができません。部下を成長させるために、できていないところを指導し
ようと考えるからです。成長させようとする責任感からそれは当然といえば当然
でしょう。

ところができていないことを指摘し、それを正そうと思って力を入れて指導しても
なかなか部下がそれに呼応して成長することはありません。このやり方が変わらな
ければ部下は成長しないのです。

ですから、そのような中堅職の社員には「できていることを認める」というやり方
に変えるように指導してください。少ししか成長していないと感じていても、その
少しは「できている」、つまり、「成長している」のです。

重要業務であれば少し遂行できた。知識・技術であれば少し習得できた。勤務態度
であれば少し守れた。その「少しできた」小さな成長を認めることによって、部下
はさらに自ら成長しようと動き始めます。

部下が小さな成長を認められてさらに成長しようと考え、「どうすればもっと成長
できますか?」と指導を上司に求めてきたときが、最も部下が成長することになる
と言えます。このときに、部下を成長させるマネジメントの最初の課題は、自分の
部下をいかに認めるか、褒めることができるかだと多くの中堅職の社員が気づくで
しょう。

自分のマネジメントが変わることによっていかに部下が成長するかを、その部下の
成長点数によって知ることになります。マネジメントは部下を変えることではなく、
自分を変えることであることを知れば、納得しながら自分をさらに進化させること
ができるようになります。

   = この続きは、来月またお送りいたします。 =