「組織原則が組織運営の問題を解決する」編
<事業承継は30年計画の原則>
多くの経営者は60歳前後になってくると「事業承継」を計画し始めます。
経営者として、今までと同じように仕事をすることの難しさに気がつき、
気力や体力がなくなったときにいざ事業承継をしようと思っても無理だと
気づくからです。
気力や体力が充分に残っているうちに新しい後継者に事業をバトンタッチ
する必要性を感じるようになるのでしょう。
多くの経営者は60歳前後になってくると「事業承継」を計画し始めます。
経営者として、今までと同じように仕事をすることの難しさに気がつき、
気力や体力がなくなったときにいざ事業承継をしようと思っても無理だと
気づくからです。
気力や体力が充分に残っているうちに新しい後継者に事業をバトンタッチ
する必要性を感じるようになるのでしょう。
しかし、60歳前後から事業承継を始めると、必要な年数は当初考えていた
5年程度で終わることはあまりありません。一般的にはその倍の10年かか
ることが多いのです。
この5年~10年の間に経営者は経営者としての仕事を権限委譲していくこと
に費やすことになります。「それに相応しい社員は誰であるか」という選考
から、複数人候補者がいる場合はその仕事の遂行度合で経営判断を行い、
やがては1人に絞り込むことまで行うことになるでしょう。
しかし、これを短期間で行うことがいかにその企業の将来的な継続発展に問
題があるか。これに気がつかない場合が多いと言えます。
事業承継をする後継者は、3つの仕事ができるかを確認しなければならないのです。
1.プレーヤー
2.プレーイングマネジャー
3.マネジャー
1つ目は一般職層の社員として、我社にある最も大切なプレーヤーとしての
業務を十分に遂行でき、この職層を卒業できるレベルかどうかということを
チェックしなければなりません。
2つ目は一般職層の次のステップにある中堅職層で、社員を育て上げること
ができるかというチェックです。
最後に中堅職層を卒業し、管理職層として経営者と同じ立場で事業を行うこ
とができるかということです。
つまり、後継者は5年か10年で決められるのではなく、30年以上の計画によ
って選ばれなければなりません。短期的に後継者を決めようとするからこそ、
社内に様々な思惑が発生し、問題になるのです。
さらには、これを確認せずに「5年後に○○に事業を承継する」と発言して
しまうことも問題です。いざ事業を承継しようと思ったときに、実は承継で
きる社員ではなかったことがわかり、会社が大変な状況になってしまった事
例をたくさん見てきました。
経営者は社内に発言しなければならないときが必ず来ます。それは「これか
ら事業承継を始める」ではなく、経営者になった瞬間から「もうすでに事業
承継は始まっている」ということです。
事業承継を組織構成員すべての幸せのために、一般職層・中堅職層を卒業し、
管理職層で優秀な成長点数を獲得している社員であること。これが事業を承
継する後継者として相応しい社員であると組織の中に宣言してください。
それが血縁関係者であるのか、それ以外の社員なのかは、事業承継するその
ときの判断によって行われるべきでしょう。これがこの会社の今後10年、50年、
100年先を考えたときの経営者の判断です。
日本は創業100年以上の「長寿企業」が世界で最も多いと言われています。
それは短期ではなく、長期で後継者選びをできていることが大きな要因の1つ
として挙げられるでしょう。
事業承継をすることを考えている経営者はどうぞこのことを十分にご検討いた
だき、できるだけ長期にわたる後継者選びを行い、事業承継をしていただけれ
ばと思います。
= この続きは、来月またお送りいたします。 =
5年程度で終わることはあまりありません。一般的にはその倍の10年かか
ることが多いのです。
この5年~10年の間に経営者は経営者としての仕事を権限委譲していくこと
に費やすことになります。「それに相応しい社員は誰であるか」という選考
から、複数人候補者がいる場合はその仕事の遂行度合で経営判断を行い、
やがては1人に絞り込むことまで行うことになるでしょう。
しかし、これを短期間で行うことがいかにその企業の将来的な継続発展に問
題があるか。これに気がつかない場合が多いと言えます。
事業承継をする後継者は、3つの仕事ができるかを確認しなければならないのです。
1.プレーヤー
2.プレーイングマネジャー
3.マネジャー
1つ目は一般職層の社員として、我社にある最も大切なプレーヤーとしての
業務を十分に遂行でき、この職層を卒業できるレベルかどうかということを
チェックしなければなりません。
2つ目は一般職層の次のステップにある中堅職層で、社員を育て上げること
ができるかというチェックです。
最後に中堅職層を卒業し、管理職層として経営者と同じ立場で事業を行うこ
とができるかということです。
つまり、後継者は5年か10年で決められるのではなく、30年以上の計画によ
って選ばれなければなりません。短期的に後継者を決めようとするからこそ、
社内に様々な思惑が発生し、問題になるのです。
さらには、これを確認せずに「5年後に○○に事業を承継する」と発言して
しまうことも問題です。いざ事業を承継しようと思ったときに、実は承継で
きる社員ではなかったことがわかり、会社が大変な状況になってしまった事
例をたくさん見てきました。
経営者は社内に発言しなければならないときが必ず来ます。それは「これか
ら事業承継を始める」ではなく、経営者になった瞬間から「もうすでに事業
承継は始まっている」ということです。
事業承継を組織構成員すべての幸せのために、一般職層・中堅職層を卒業し、
管理職層で優秀な成長点数を獲得している社員であること。これが事業を承
継する後継者として相応しい社員であると組織の中に宣言してください。
それが血縁関係者であるのか、それ以外の社員なのかは、事業承継するその
ときの判断によって行われるべきでしょう。これがこの会社の今後10年、50年、
100年先を考えたときの経営者の判断です。
日本は創業100年以上の「長寿企業」が世界で最も多いと言われています。
それは短期ではなく、長期で後継者選びをできていることが大きな要因の1つ
として挙げられるでしょう。
事業承継をすることを考えている経営者はどうぞこのことを十分にご検討いた
だき、できるだけ長期にわたる後継者選びを行い、事業承継をしていただけれ
ばと思います。
= この続きは、来月またお送りいたします。 =