「組織原則が組織運営の問題を解決する」編

＜社長と一緒に世の中に貢献するのが成長の原則＞

すべての会社で、経営者が社員に言っていることがあります。それは、
「この会社で成長してほしい」ということです。

新人からベテランの社員まで、同じように言われていることです。しかし、
社員の立場では、「組織の中で高い成果を上げてほしい」と言われている
ように聞こえます。

一般職層であれば、自分で成長してやるべきことができるようになり、そし
て大きな成果を上げることが成長であると思わざるをえません。目の前に
あるのがプレーイングの仕事であれば、場合によっては、「この会社で一生
涯プレーヤーとして成果を上げることに取り組んでいこう」と考える社員が
出てくるのも当然です。

残念ながら、それは入社してから10年程度のゴールであり、最終のゴールで
はありません。そのことを説明できていないのです。その成長のゴールを明
確に示すのがステップアップ制度です。

この組織で一般・中堅・管理職として成長する。そして、最終的には管理職層
まで成長して活躍する。それが本当の成長です。

つまり社員にとって成長とは、やがては管理職まで成長し、経営者の掲げるビ
ジョン・理念に共感しつつ、今の商品・今のサービスで世の中に貢献する大切
な存在としてこの会社を成長・発展させることなのです。それが自分の成長で
あることを知ってもらうことが必要です。

これは、短期間の成長ではありません。社会人として最も活躍できる年齢での
成長です。20代～60代だけではなく、今では70代でも十分世の中に貢献できる
年齢と言えます。その年齢の間を、会社で成長することによって貢献するのです。

人間が生まれてくる目的はなんであるかということを、「企業の中での成長」
という言葉で理解していく必要があるでしょう。すべての社員、人間が世の中
に貢献するために生まれてきているのであるとすれば、今はこの会社で成長す
ることでその目的を実現することになります。

今までは、成長というのは自分で成果を上げるという目の前の問題だったでしょう。
それが、素晴らしい人生・素晴らしい生き方をするためにこそ、この会社で必要
なことであるというもっと先の問題であると気づくことになります。

これによって、今までとは桁違いの成長を社員自身が自分で考えるようになります。
全く経営者と同じ、いや経営者以上かもしれません。

なぜなら、若い社員であれば、自分の30年や40年後、この会社の世の中に対する
貢献がどうあるべきかを考えるようになるからです。それは、社員が今の立場で
経営戦略を考えるということに通じます。

ついに、社員はこの会社の長期の戦略について考えることが自分にとっての成長
であることを知るのです。これを教育することは、とても重要なことだと言えます。

　　　＝　この続きは、来月またお送りいたします。　＝