社会保険労務士法人村松事務所

『飲むだけで10kg痩せる!』はNG!? 法律に違反する広告表現とは

18.05.30
ビジネス【企業法務】
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“痩せたい”という思いでインターネットを見ていると、『楽にダイエット』『理想のボディに』などといった広告文句が溢れています。

そんな魔法の言葉を信じて、ついつい購入ボタンを“ポチッ”。
そんな消費者を守ってくれるのが、広告に関する規制です。

今回は、このようなダイエット広告の何が問題なのかを、法律の面から読み解きます。
景品表示法による広告規制

『飲むだけで、理想のスタイルに!』『気づけば1週間で-5㎏!』『置き換えるだけでラクラクダイエット!』などの広告表現を見て、

「この商品を購入すれば、飲むだけで、身につけるだけで、すぐに理想のボディになれる……?」
「大した努力もいらないなら、騙されたと思って買ってみようかしら」

と思う方もいるでしょう。

このような“最低限の期間と労力で痩せたい気持ち”につけこむ甘い売り文句に惑わされ、消費者が不適切な買い物をしてしまわないよう、ダイエット食品は健康食品に対する法律によって規制されています。

まず、広告一般を規制する法律として『不当景品類及び不当表示法(以下、景品表示法)』があります。

景品表示法は、優良誤認(※1)や有利誤認(※2)など、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する恐れのある広告を禁止しています。

※1 優良誤認:一般の消費者に対して商品の品質等の内容が実際よりも著しく優良であると誤解させる表示
※2 有利誤認:取引条件が実際よりも取引の相手方に著しく有利であると誤認させる表示



健康増進法による広告規制

景品表示法のほかにも、食品販売に関する広告については“健康増進法”で広告の規制がされています。
具体的には、健康の保持増進の効果等について、“著しく事実に相違する表示”と“著しく人を誤認させるような表示”を禁止しています。

たとえば、『飲むだけで誰でも必ず10kg痩せます!』といった表示は、事実と相違することが明らかです。
このような表示は、痩せたくて切羽詰まっている消費者の合理的な選択を阻害する恐れがあるため、景品表示法や健康増進法に違反していることになります。

広告表現が法律違反とならないよう、広告を作成する際には景品表示法や健康増進法を改めて確認しておくようにしましょう。